第15話 寝相ステータス

日が沈み夕飯も野営の準備も終わらせた俺は一人焚火にあたって思考の川に身を任せていた。


アリバとルルはたらふく食べた後くずれるように眠ってしまった。何事もなければ朝まで頑固にも眠り続けるだろう。


ちなみに夕飯にはディグピッグがでた。もれなく高級肉だ。ハザールについたら料理の勉強して高級料理店開いたほうが稼げるかもな。


普段からこんなものばっかり食っているとは、とんだ箱入り娘だよ。


にしてもレッドボアといいディグピッグといい、こうも簡単にBランクのモンスターを狩ってこれるってルル相当強くね?


フェンリルだから強いのは当たり前だけど子供って聞いたからせいぜいCランクモンスター狩れるくらいだろって思ってた。


「そういえばこいつのステータスしらないな」


確かキド・Oからもらった手鏡でステータスわかるんだっけ。俺のステータスを開示したときは触れるだけで映ったから同じ手順で見れるかな。


大の字になって幸せそうに寝息を立てているルルの髪に手鏡のふちをそっとつける。



フェンリル(ルル)Lv256

攻撃792

防御621

魔素804

俊敏874

スキル 風魔法 身体強化(風) 索敵術(風) 管理者 主神の加護



ステータスの桁が違う。成獣になったら全ステータス1000超えるとかありそうだな。


こんなに強いのになんでこう夜の森でぐっすり寝てるんだか。本当は見張り任せてもいいと思うんだけど。


そんなムキムキなお子ちゃまは寝返りを打つとアリバの腹にミドルキックを打ち込んでしまっている。


「アリバが苦しいだろ。ほら、寝てる時くらいおとなしくしてくれ」


そっとルルの足から解放してやるとアリバはひとりでに転がって逃げていったが、


「ちょ、そっちは火あるから危ないって」


火にダイブしそうになってるアリバもすんでのところで止めて反対側に転がしておいた。


子供二人の世話ってこんなにきついの?!母親に感謝だな。


二人とも最初は金のために連れていたはずでドライな関係で行こうと思ってたんだけど、


「なんでこんなに世話焼いてんだろうな」


スースー気持ちよさそうに寝息を立てている二人を眺めてると心なしか顔がほころんだような感覚があった。


手がルルの頭に伸びる。少しだけ指を曲げ撫でようと腕を伸ばした瞬間、


「ん?」


枝葉を踏み抜く音が響く。


「人がせっかく穏やかになってんのにでてくんなよ…」


音的に二体か。


「起こさないようにゴミ処理しますかね」

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