第5話

ちょっと待って。初っ端からツッコミが追いつかない。


まずはジョブ!なんで!?なんで矛盾してるの!しかもジョブ魔王だけかと思ってた!勇者って何!勇者って!勇者の一族?それは王族のことですよ?おかしくないか?


そしてHPとMP!なぜ!こんなに!多いのか!聞きたい!いやだってこの世界の平均はどちらも50前後、どんなに多くても127だよ!?ああちなみにこれ父さんのHP。


MPの世界記録保持者は一番上の兄さんで、134。いやね?おかしいよね?なんで?しかも無駄に区切りいいし。あれ?回復早くない?さっき転移の魔法連発したんだけどなぁ!


つぎ!属性!属性の世界記録は5代魔王様の4つだよ?しかも時間なんて今まで1回も聞いたことありませんが?属性10個?ナニソレ?オイシイノ?


最後!称号!神子ってなんだよ!俺はそんなすごいものじゃない!ああああああああああああああああああ...........俺の平凡ライフがガラガラと崩れ去っていく..........


ああこれで終わりか。父さんに報告しなきゃね。

え?称号に腹黒魔王なんていうのがなかったかって?そんなのなかったよね?嘘つかないで?........嘘じゃない?じゃあ、精神科と眼科に行くことをオススメするよ。



コンコンコンコン

「どうぞ」

「おいハルト、鍵かかってんぞ、このドア」

「うるさいなぁ、自分の魔法で開ければいいじゃん」

「父親に向かってその態度はなんだ!」


何を隠そう、この声は父さんのものである。行く手間が省けて良かった。


「え?なんか言った?」

「父親に向かってその態度はなんだっ!」

「声が小さいよ」

「父親に向かってその態度はなんだああああ!」

「耳鼻科行って自分の声の大きさを確かめてきたほうがいいと思うよ」

「あぁん?決闘するぞおおおおおおおお!」

「喧嘩っ早いと母さんと俺に嫌われるぞ」

「なっ!聞こえてるじゃないか!でもなら辞める!」


やっぱ父さん脳筋だから扱いが簡単だな。

言うが早いが魔法で鍵を開けると部屋に入ってきた。


「御用をどうぞ」

「お前の婚約者を決めたいとーーーー」

「出てってください」

「なぁ!父親に向かってその態度は冷たくないか!」

「そうやって体くねくねさせるの、気持ち悪いのでやめてください」

「ケイゴ、キモチワルイ、ヤメテ、オレラ、カゾクダロ?」

「わかったよ。あと、俺からも話があるんだけどいい?」

「ああ!もちろん!」

「あ、見てもらったほうが早いかも。ステータスオープン」

ブォンという音とともに先程のステータスが現れた。

「父さん、これ、どう考えてもおかしいよね?」

「あ、あぁ........お前化け物だな」

「父さんに化け物呼ばわりされる筋合いはない」

ステータスだって種族は人間って書いてあるじゃないか。

「だってさぁ!MP、HP、属性の数、称号を見てみろよ!腹黒王子って!お前にぴったりすぎだろ!引くわ!」

「父さん?そんな称号なかったよ?何言ってるの?腹黒王子なんてないよ?文字の読み方、学園で学び直したほうがいいと思うよ?」

「いや、あっt........」

「なかったよね?(にっこり)」

「あ、あぁ.......」


そんなこんなで夕食の時間になった。

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