第2話
その日は、ある特別な日だった。その日に、ハルトが生まれた。
ーーーーつまり、誰もが目を疑うような出来事が起きたのだ。
「ほぎゃぁぁぁ」
「まぁ、かわいいわぁ!生めてよかった.......」
ぽろぽろと嬉し涙を流しながら小さな赤ん坊にささやく。
その直後、目を開けるのさえ困難なほどまばゆい光があたりを包んだ。
「まぁ、祝福だわ!この日に..........て......め....み............」
大事なことを聞きたかったハルトだが、眠くて寝落ちてしまった。
あれから約10年。
ハルトはすくすくと成長し、剣術は中堅の騎士に勝つ程、顔はどんなイケメンでも二度見するくらい端正な顔に育った。
そんな恵まれた環境のハルトだったが、心の中では愚痴が溢れていた。
俺tueeよりも自分で努力したくなったからチートがあんましいらないと思って3つにしたのになんでこんなに恵まれてるんだよ!?俺は平凡がいいの!そういう意思の方を汲み取れよ!女神なんだろ!まさか顔がいいのとか他の恵まれてるところって生まれつき決まってるからいいとか思ってんのかよ?あほだな。
あーまじで貴族社会めんどくせぇ。なんで公爵家の嫡男?おかしいだろ。嫌味を遠回しに言うし、服も堅苦しいものが多いし.....
よし、これからはいつか神界に殴り込みに行ってやることが将来の夢ということにしよう!これでも結構強いほうだし。
神界では........
「やばいよ怖いよ助けて主神様!ハルトくんあれでも私より3倍くらい強いのに更に成長して大きくなってから神界に殴り込みにくるってぇ!?もう無理ぃ!」
「お前が恵みすぎたのがいけないんじゃろ。自業自得じゃ。わしはもう知らん」
しかし、その後呟いた声は誰にも聞こえなかった。
「正確にはあのあほ女神より10倍強くて、この世界の最高位でもある主神様のわしより3倍強いとか..........あやつありえんじゃろ。人間じゃない気も.......」
残念ながら人間である。
ハルトにこれを聞かれたら残念ながらってなんだよ!残念ながらって!
と言われそうだ。
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