第17話 イーストガーデン13。
途端に筒の裏側からこれでもかと吹き出す圧に常継とルルは後ずさる。
一瞬圧に負けて反り返ったが体勢を立て直した常継とルル。
「これが膂力が求められる要因!」
「ツネツギ!耐えよ!」
「ルルこそ制御力は任せたぞ」
「任された」
常継達は思い違いをしていた。
「創世の光」は使ってすぐに発動するタイプのアーティファクトではなく、発射までにタメ時間が必要なアーティファクトだった。
いつまで待っても発射されない「創世の光」に常継が「ルル…キツいんだけど」と漏らすとルルも辛そうに「まだ…だ…。コイツは筒の中で力を熱量に変換する必要があるようだ…。今ならわかる。まだ臨界ではない」と返す。
「だけどテツイとキヨロスは待てるか?」
「待ってもらうしかあるまい」
キヨロスとテツイのコンビネーションは無茶苦茶だった。
主にテツイの支援がなってない。
「キヨロスさん!危ない!【アーティファクト】」
今もテツイはキヨロスを守ろうとして氷のアーティファクトで悪魔を足止めしたがキヨロスからすれば拍子をズラされてあわや直撃しかけた。
キヨロスは必死に回避しながら「ちっ!こっちは自分でやるからテツイは攻撃と自分の防御だけしろ!」と怒鳴りつける。
攻撃も。下手をすればキヨロスごと焼き殺すような攻撃であったりと敵ではないが味方ではない内容にキヨロスは「テメェ…わざとか?死ぬか?」とキレていた。
そしてキレたキヨロスがもう待てないとばかりに「ルル!ツネツギ!」と2人の状況を確認する。
「もう少しだけ待ってくれ!」
「私にはわかる!あと少しで臨界だ!」
この返しにキヨロスが「正確な時間で言え!」と言う。
「何!?ルル!?」
「後3分だ!」
「わかった。残り1分でやってやる!テツイ!足止めだけはやらせてやる!邪魔はすんな!」
「はい!」
そして2分が過ぎたところでキヨロスが「やるぞ!合わせろよルル!」と言った後で「「革命の剣」頼むぞ!12匹の鬼達よ!【アーティファクト】!」と叫んだ。
一度消えた光の剣が12本射出されると一気に悪魔を切り刻み持ち上げてお手玉のようにする。
「ルル!ツネツギ!「創世の光」がどんな攻撃かわかんねえが空なら何とかなるだろ!?」
「見事だ!流石はS級の担い手!ツネツギ!発射後も大変になるはずだ!覚悟を決めよ!」
「あいよ!テツイ!キヨロスの奴が疲れないようにお前もなんかしろ!」
常継に言われて「はい」と言ったテツイの攻撃は地面から伸ばした氷で檻を作りそこに悪魔を入れるものだった。
「キヨロスさん!お休みください!」
「外すなよテツイ」
「はい。お任せください」と言って見事に氷の檻に悪魔を入れるテツイ。
それを見てルルが「よし!撃てる【アーティファクト】!」と言った。
ルルの掛け声で「創世の光」、筒状の本体から光が放たれると上空の悪魔に当たる。
悪魔は光が当たった場所が一瞬で蒸発して消えてしまう。
確かな威力に常継が「やれる!でも重い!」と言うとルルが「ツネツギ!堪えよ!」と声を張る。今ここで常継に倒れられてはルル1人ではどうする事も出来ない。
常継は頑張るがそれでも悪魔を全て消し去ることが出来ないでいる。数ミリ動かすだけなのだが「創世の光」の力に振り回されてうまく行かない。
苛立ちながら「制動がキツい!細かく動かせねえ!」と常継が言うと「それなら!テツイ!風の力で悪魔を残さず光の範囲に入れろ!」とキヨロスが指示を出す。
キヨロスの号令でテツイは風のアーティファクトを使って悪魔をカケラも残さずに光の中に入れた。
これによりあっという間に悪魔は蒸発して戦闘は終了した。
ルルが「創世の光」を停止すると常継が「あー…ルル、疲れた」と言ったと言って座り込む。ルルも「私もだ。助かったぞツネツギ」と言って座り込む。
離れた所でキヨロスも「俺ももうダメだ。テツイ…マリオンに終わったって言っておいてくれ」と言って座り込んだ。
テツイは「え?ツネツギ様?ルル様?キヨロスさん?」と3人を見ながら呼びかけるが3人は疲労困憊で倒れるとそのまま眠ってしまった。
3人が目覚めたのは翌日で、常継は遂に全てが終わった事を実感をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます