異世界に鉄道を敷設したい!

ユウユウ

第1話 チュートリアル始めました

 何もないな


 自分は異世界転生小説が大好きだ。


 嫌な現実をしばし忘れて夢に浸るのは心の洗濯だと思っている。

 だが異世界に自分が飛ばされるのは流石に嫌だ!!


 どうしてこうなった


 考えても分からない現象に巻き込まれた人はとりあえず考えを放棄するという。

 自分もそれに習って考えることを半ば放棄して、兎に角現状観察に徹することにしたのだ。


 今立っている場所は平原のようだ。

 周り一面短い草が生えたチベット高原やサバンナのような場所ではないかと考える。

 遥か遠くに、おそらく万年雪を称える山々が見え近くには利根川なんて目じゃないぐらいの大河が流れている。

 対岸に居る生き物がゴマ粒ぐらいに見える幅の川なんて日本国内でまず見られないだろう。

 ここが少なくとも日本ではない場所だと言うことはその時点で何となくわかった。


 そしてここが直前までプレーしていたゲームのマップに酷似していることに薄々気づき始めた。


 ゲームの世界に入っちゃった系?リアルで体験すると嫌だな……


 ゲームならここでログアウト出来たらと思いつつ、もし本当にゲームなら操作画面はどこにあるのかと頭で思い浮かべると、頭の奥でゲーム画面に似た操作画面が出てきた。

 ただしその画面は直前でプレーしていたゲームの画面では無かった。


 見たことないゲームの画面だけど、こういう場合はヘルプかチュートリアルをやるといいんだよな


 頭の中に浮かんだ画面を意識で操作しつつ、まずタイトル画面に戻ってヘルプ項目を探ってみた。

 すんなりヘルプ画面が出てきたので、そこの操作方法を見て簡単な操作を覚えた。

 調べたがセーブ画面もログアウトボタンも無かったのでおそらく純粋なゲームではなく、なんらかの能力をゲームとして理解したか具現化したのではと推測した。


 チュートリアル項目を探すと出てきたのでやってみることにした。


 まずメニューの説明から始まる


 メニュー画面はこのゲームでありがちな予算や統計情報と建物や道路を敷設するボタンと内政や戦争なんてアイコンまであって、その時点で少し恐怖を感じる。


 内政は兎も角、戦争は勘弁して欲しい。


 更に技術ツリーもあるし好きなゲームを全部融合させた系のヤバイゲーム感が満載だ。

 一通りアイコンの説明を読んだ後、まずはワールドマップを開いて見た。

 ワールドは文字通りこの世界を俯瞰した視点で見ることが出来るシステムらしく選択すると一瞬にして視点が体を離れ、空高くに居るような視点に切り替わった。

 どうやら地球のよな星で、自分がいる場所は複数ある大陸の一つのようだ。

 海を挟んだ大陸には都市があるのが見えるが、こちら側には近場に都市はなさそうである。

 ただ草原の終わりに鬱蒼とした森があり山もあるのでそこになにかあるかもしれないが、あまり詳しいく見ることはこのマップ機能では出来ないようだ。

 とりあえずチュートリアルを進めてみる。


 まず自分が今いる場所まで視点を切り替えてから、アイコンにある造成を選択して都市の輪郭を決めていく。

 どうやら進行度の概念があるようで現在経てられる建築物は城壁などの古代辺りのモノに限定されるようだ。

 ただチュートリアルの説明では特定の分野を重点的に育てることも可能らしいの後で技術ツリーを見ながら考えよう。


 

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