第43話
リビングのソファに三人が座る。師匠は俺の横に座ってこちらに、もたれかかってくる。お風呂上がりのためか、甘い香りがする。
俺の前に座った志乃ちゃんがこっちを恨めしそうに見てくる。まださっきのことを怒っているのだろうか?
「さっきはすまなかったと思っている……」
「そ、それはちょっとあれでしたけど、許してます。私が怒っているのは……」
何を言いかけて、言葉を飲むようにして黙る志乃ちゃん。少し頬を膨らませる志乃ちゃんに抱きつきたい欲が出てしまうが、寸前のところでやめた。
「で、相模くん。改めてお話ってなに?」
「寝るところなんだが、ソファとベットがあるんだよな?ベッドはダブルベッドで二人が寝れるのだが……」
俺が提案すると、志乃ちゃんがこちらをじろりと見て、分かっていますよね?と言わんばかりの顔をしている。
まぁ、そうですよねぇ。俺が諦めてソファに寝るという案を提案しようとすると、俺の方を上目遣いで眺める師匠が。
「私と一緒にベッドで寝よっか。志乃ちゃんは相模くんと寝たくないって言ってるし。もしかして相模くんと寝たい?」
今度はニコッと志乃ちゃんに笑いかける師匠。なんとも言えない、あぅ……。という漏れたような声を出すと。
「別に寝たいとかじゃないけど……」
「じゃあ決定ね。早速、寝に行こ!相模くん」
そう言って俺の手を引く師匠。強引に引くものだから、女の子の象徴でもあるふたつの果実が胸にあたる。
「師匠、当たってるんですけど……」
「ん?当ててるんだよ?こういうのお好きでしょ?」
そう言って小悪魔な笑みを浮かべる師匠。お姉ちゃんのような存在だった師匠と大きくなってから同じベッドで寝るって言うのは……。
どこか抵抗があるが、それに興奮している自分がいる。リビングから連れ出されそうになった時、志乃ちゃんから可愛らしい声が聞こえる。
「わ、私も相模と寝る」
「……へ?」
「だから私も一緒に寝たいって言ってるの」
顔を下に向けて俺に見えないようにしてるあたり、すごく照れているのだろう。
それでも俺の方にじわじわとよってきたと思うと、ちょこんと俺の方にもたれ掛かる。そして俺の手を掴むとぎゅっと抱きしめた。
「どう?いちおう、当ててみたりしてみたんだけど……」
「最高です」
暗殺者ちゃん、いや志乃ちゃんがデレた時は心臓に悪いって言うことを知った。ちなみに今死んでも悪くないなぁと思った俺だった。
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