花火

みんな:「ごちそうさまでした!!」


s:「それじゃあ2階あがろうか」

z:「うん!」

b:「22時には寝なさいよ〜」

s,z:「はーい!」

s:「おばあちゃん、花火していい?」

b:「いいけど火の扱いには気をつけなさいよ。」

s:「はーい!」

z:「花...火...?」


そんな疑問を抱えつつ、2回に上がってきた自分がいる。

さっちゃんは布団でゴロゴロ。


自分は...そもそもここまで来た理由を同じく布団で寝ながら整理。


まず、社会人の「自分」が不審なCDのVBScriptを実行したことから始まる。

MY_LIFE.COMというDOSアプリを閉じた時に死ぬほどの激痛に襲われて小学生のころへ戻る。

そういえばMY_LIFEは「自分の人生」という意味。

つまりこれは「自分の人生の一部を切り取ったファイル」...ってことか?

なら、あのファイルに「小学生の記憶」が入っていたってことか...?

おかしい。

そんなSFまみれのことが現実でおきることか??

そんな物語みたいなことが本当にあるか...?

そんな...



s:「何真剣そうな顔して...どんなことがあったの??いつもとちがうよ??」

z:「いや、なんでも...この通り」

s:「ふーん。ならいいか。ほら花火するから下行こう!」

うまく誤魔化せたけど...この先自分は帰れるのか...?

またこの頃からやり直しなのか...?

そんなことばかりが頭の中にある。


s:「早く早く〜」

z:「まって...」

古くて急な階段を駆け降りるのは怖い。

なぜさっちゃんはできるのだろう...

いつも運動神経だけは達人の域にいるんだよなぁ...

本当に...



s:「つけるよ...」

シャッ、シュー...

s:「うわー...綺麗...」

z:「自分も!」

玄関の前に並べてある手持ち花火を一本取る。

立てているロウソクの炎に近づける。

花のように光が四方八方に飛んでいく。

z:「ほんとだ....綺麗...」

s:「みてみて、まだついてる...あぁっ!消えた!」

s:「一分消えないって書いてあるのになんですぐ消えるの?まだ55秒しか経ってない!あと5秒どうしたの??」

z:「そもそも50秒しかもたない花火が55秒持ったからいいんじゃないの?」

s:「確かに50秒だ...あっカメラとってくる!!」

長時間露光のモードにして絵を描くんだな...


s:「ただいま〜もってきたよ〜実はこれ、お父さんに設定してもらって5秒間シャッターが開くようにしてもらったよ〜」

ほうら、思った通り。

三脚までちゃっかり持ってきてるし。

でも使い方がわからないのは知ってるぞ...

...。

使い方を聞いてきたんか...


z:「じゃぁ行くよ...」

s:「はーい!」

パチッ



カシャッ

s:「どう?」

z:「ほら綺麗に撮れてる!」

s:「丸...違う、ハートの形で撮りたかったの!!」

z:「そう言われてもさ、もう一回撮ればいいじゃん。」

s:「そっか。じゃぁ、もう一回。」

パチッ



カシャッ

z:「ほれ。」

s:「いーじゃん、これ。よし、残しとこう!」

z:「すぐメモリがいっぱいになるよ...」

s:「まあまあ...」



s:「もう線香花火しかないの?」

z:「うん、そうだよ。」

s:「なんで...もう一パック買っておけばよかった...」

さっちゃんはそう言って線香花火3つ同時に火をつける。

「あぶないよ」って言っても無視。


s:「うわ !」

z:「だから言ったじゃん...」

s:「なんだよ...先に言ってよ...」

z:「いいじゃん。ほらみて、星が綺麗だよ...」

確かに星が綺麗だ。

月が明るいのはまぁ置いといて...

s:「おばあちゃん、今日ほたる飛んでる?」

b:「さあねぇ...多分最近は飛んでなかったと思う。川が最近、枯れちゃってるから...」

s:「そっか。」


z:「星...はどうなった...?もう見飽きたの...?」

s:「当然、見飽きたに決まってるよ。だっていっつも来てるんだもーん」

z:「そっか...」

s:「てか暑いよ。早く中に入ろう!」

z:「冷房...」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る