第45話 次の日のテスト勉強は
さて、今日もテスト勉強をやっていきましょう。
昨日いたメンバーもいれば、今日からのメンバーもいてなかなかのメンバーたち。
しかし、今日の目玉はなんと言っても杉沢だよね!
彼女の依存型の才能はどのようになっているのか、どんなふうに友人と普段接するようになっているのか、そんなところを見ていきたい。
彼女の才能は廃れていないのか、はたまたよりパワーアップしているのか、、
こんな機会でないとじっくり話せることや一緒に勉強することはないしね。
彼女の更なる才能が伸ばされている様子を見ることができれば、僕にとってそれほど嬉しいことはない。なにせ、育ての親だから。
今日も順調に勉強会は進んでいった。
昨日よりもわいわいと始まり、みんなで教え合いながら、しかし集中するところは集中して、といった雰囲気が漂う。
やっぱり、これいいなぁ。ひとりでやるよりも断然進むし、メリハリもつくし。
しかも、ヤンデレ才能探せるし?最高じゃない?
僕は、杉沢の隣に座っていた。もちろん、僕は彼女の隣に座れるように調整したからね。他の人に座られそうになった時は焦ったよ。
どう考えたって隣の方が有利だし、彼女に質問する流れで、雑談にも持って行きやすい。
なんか合コンみたいだね、行ったことないけど。
よし、彼女に話しかけていくか。
30分ほど経ち、僕は思い立った。
彼女は国語が得意なはず。そこを会話の糸口にして彼女と会話を広げていきたい。
よし、行くぞ!とこんなに気合いを入れるなんて初めて話す時みたいだ。
だって、仕方ない。彼女と話すのは久しぶり。彼女も人脈が広がり、僕とばかり話していた日々は終わり、彼女自身で生きていっているのだから。
そうは言っても、彼女とのSNSは続いている。だからきっと見捨てられたとは思っていないはずだ。
ね?そうでしょう?
「ねぇ、これってどういう意味だと思う?」
まずは軽くジャブ程度に。
僕は彼女に国語の一問を指差し、彼女へ話しかける。
彼女は少し驚いたような表情をしつつも、僕の方に向かってにっこりと笑い、
「どれ?」
と言った。
以前の彼女とは明らかに違う。もちろん、いい意味で。
以前の彼女は話しかけても、自分に話しかけられているのか自信がないといった表情を見せることが多かった。だから、名前を呼んでからでないと返事をすることは無かったし、そこが良かった点でもあった。
しかし、今は彼女自身に少し自分自身、というものが出てきたのか、彼女に対して話しかけられている、という自覚がきちんとあるように思える。話しかけられたら、答えてくれるし、逆に自分からも話しかけることができている。
うん、そういう彼女も素敵だと思う。彼女自身の能力が向上され、彼女が今までできなかったことができるようになっていること、これは素晴らしいことだ!
これはきっとヤンデレ才能開花の副産物だと言えるだろう。
よかった、彼女の才能を開花させることができて。
彼女は僕の問いかけた質問の対し端的に、しかし的確に答えた。ありがとう、よーしここから彼女と雑談を行って、、と思っていると、彼女は僕の想像とは異なる行動をとった。
彼女は答えるとすぐに、自身の勉強に戻ってしまった。
あれ?もっと話そうよ。僕は君と話したいと思って質問したのに。そして、君も僕と話せるの楽しみにしてるかなって思ってたのに。
ちょっと自惚れてたかな。
僕は、少し落ち込んだ。彼女にとってもう僕はどうでもいい存在なのか?もしかして、彼女はヤンデレではなくなってしまったのか…?
僕が少し離れている間に彼女は別の道を見つけてしまったのか、、?
僕は少し不安に思った。せっかくの才能が離れている間になくなってしまったのかと。
僕は落ち込みながらも彼女以外の人とも話さなければ、と違う人に声をかけようとした。
しかし、ここで予想していなかったことが起こる。
僕が違う人に声をかけようとすると彼女は話しかけてくる、誰かに話しかけられると会話に自然と入ってくる。
あれ?気のせいかな?
そう思い、周りの人に話しかけようとするが彼女に遮られるし、誰かに話しかけられても彼女が自然と会話の中心になっている。
あれ?あれ?あれ!
なんだー、全然彼女の才能は廃れていないじゃないか、むしろ彼女は自身のコミュニケーション能力を向上させたことで、よりヤンデレの才能を伸ばしていると言える。
彼女は一見普通の人に見える。まるでヤンデレではないかのように。しかし、僕にはわかる。伝わるよ、君のその才能が。
僕が他の人と話せば、彼女はじっと見つめてくる。その視線はまるで獲物を狩る猛獣のように獰猛で、しかし愛を秘めた視線で。
その視線を浴びるほどに僕はその視線を渇望する。そう、これが欲しかったんだよね。
やはり、君は才能の塊だったんだね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます