第36話 テスト勉強作戦開始!
テスト1週間前ともなるとみんな少し落ち着かないような、緊張しているようなそんな感じ。
高校に入って初めてのテストだからか、
「どんな感じかな?やっぱり難しいのかな?」
「高校って赤点ってあるらしいじゃん、大丈夫かな?」
「どこまで勉強したらいいわけ?」
と言った、ある意味テストあるあるのような会話が溢れて止まらない。
そんな空気の中で、1人全く違うことを考えている僕。
ふむ、いかにして、あまり話したことがないクラスメイトをテスト勉強に誘うか。
そんなことしか考えていない。
ここが問題だよなぁ。僕はヤンデレのためならって思ってはいるし、ヤンデレのためなら犯罪以外なんでもするつもりではある。しかし、人見知りにはたくさん人を誘うなんて難しい。
そして、僕の中の1つの案としては、友達の多い友人を通して誘ってもらうこと。
やっぱり顔の広い友達をダシに、というかその子から提案してもらうことで、なんとか敷居の低い感じのものにしたいなと思っている。
僕のように、人見知りのある子でも集まって欲しいし、むしろそういった子の方が才能がある可能性が高い。
みんなが嫌な気持ちをしないように、でも出来るだけ色々な人に参加して欲しい。
そして、その友人に誘ってもらう案をうまく活用する方法として僕が考えた作戦、それは、高校に対する憧れあるある。
『男女で勉強会しがち』
みんなが一度は抱いたことがあるであろう、この憧れを利用させてもらう、というものだ。
漫画とかでよくあるでしょう、放課後にみんなで勉強して生まれる友情、恋愛ってね。
放課後に集まって勉強するなんて、普通では考えられない。だって、大体の人は部活をしているし、していなくても放課後なんて早く帰りたいものだ。
しかし、例外がある。
それはテスト期間。普段は部活がある人も放課後は空いているし、何より勉強をしなければならない時だ。
そんな時にみんなの憧れの放課後に友達と勉強(異性がいるとなおいいよね)が生まれるに違いないのだ。
うん、いい案だと思うよね。
僕はまず友人に話しかけた。
「ねぇ、放課後テスト勉強しない?」
と。友人だってこういう提案には目がないはずだ。僕の予想通り、彼は目を輝かせて、
「いいね!他にも誘うか!」
と元気に言った。
やっぱりね、君なら乗ってくれると思ってたよ。
彼は早速、周りの人を続々と誘い始めた。
さすがだ、僕とは違う。
放課後になり、机をガガガッと移動させる音が響く。
僕たちの勉強会、名づけて『ヤンデレ勉強会(仮)』は僕たちのクラスでやることが決まり、みんなでお互いを見ながら勉強できるように机を並び替えていたのだ。
集まったのは、全員で10人。
僕と彼を除くと、8人。
その中には、大体いつもいる友達の男子2人、彼と仲がいいけど僕とはあまり話したことのない男子2人、あと女子4人。この女子たちはほとんど話したことがない。
うん、いいね!
いつもいる友達は置いといても、他の6人はあまり性格を知らないし、話したことも数えるくらいしかない。
だから、この子たちと勉強を通じて仲良くなって才能の片鱗があるかどうかを見たい。
よし、やっていこうか!
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