第35話 テスト勉強を通じてヤンデレを生み出したい!

オフ会を通じて、僕はヤンデレに関する自分の先入観に気づき、よりレベルアップしたと思う。

女性だけでなく、男性にも目を向ける必要があると分かった僕は、新たな境地に達したと言える。

単純計算、ヤンデレの才能を秘めた者たちが、2倍の母数となったのだ。

そうなることで、才能の蕾がある人をどんどん見つけることができ、より沢山のヤンデレを生み出すことができるに違いないのだ。

よし、このまま突っ走って、ヤンデレを生み出しまくるぞ!と僕は意気込んでいた。

しかし、次の日学校に行き、僕は現実を思い知る。意気込んでいたのはいいが、僕は学生の本分を忘れていたのだ。

そう、勉学である。


入学からヤンデレの彼女を作りたい、いやヤンデレを生み出さないと、と忙しく動いていた僕は全く気がついていなかったのだ。月日は流れており、テストの時期にやってきていたことに。

もう、そんな時期?この間入学したところなんだけどね。

どうでもいいけど、入学したばかりなのにテストって意味があるのか?入学試験が終わったばかりなのにいじめでしかないと思う。


まぁ、テストに対する不満はここまでにして、僕は、入学からずっとヤンデレを生み出すことに奮闘していた。だから、全くテスト勉強は進んでいない。というか、テストの日程も範囲すらも把握していない。

まあ、つまりピンチってこと。


僕は、以前にも言ったけど、ヤンデレと仲良くなるために趣味を幅広く持とうとたくさんのことを守備範囲としている。

そして、勉学もその例外ではなく、ヤンデレに勉強を教えることで親密になれるように、とある程度の勉強はしている。

ヤンデレのためになるなら、僕は嫌いな勉強だってするし、フルマラソンだって走れるよ。

まぁ、それは置いといて、ピンチとはいえどもヤバすぎるってほどではない。テスト範囲を見直して、苦手なところを中心にやれば7〜8割は取れるだろう。

実は僕、賢いキャラなので、なんてね。

そうは言ったって勉強はしなくてはならない。成績が悪くなれば、補習などが入りヤンデレ才能探しをする時間が無くなってしまう。


だから、テストは真剣に取り組まなければならない。つまり、その期間、僕はヤンデレの才能探しや情報収集は疎かになってしまう…。


しかし、僕はピンチをチャンスに変える男!

テスト勉強をできれば、ヤンデレ才能開花への足がかりにしたい。そうすれば、テスト勉強という時間を無くさせるピンチをヤンデレ才能開花へのチャンスと変えることができるからだ。


僕は考えた。

そして一つの案を思いついた。それは至極簡単。

テスト勉強を1人でするのではなく、クラスメイトとすることにする!というもの。

クラスメイトとただテスト勉強をするだけではなく、テスト勉強を一緒にするメンバーに、いつもは話したことのない子を入れることで、ヤンデレの隠された才能を発見したり、新たな情報を聞いたりと言ったことにつなげていくことにする。

これはいいでしょう!

勉強を教え合うことを通して仲良くなる、得意不得意を知ることで才能開花の芽を探る…。

あれ?テスト勉強って最高の出会いの場なんじゃない?


それに、すでに才能を開花した彼女たちとも勉強を通じて関わることで、彼女たちの更なる成長を見るということもできればしたい。

彼女たちの新たなる境地を見たいからね。


もはや同時進行でやっていかないとね、ヤンデレ才能開花と勉学は。

勉学を言い訳にヤンデレを生み出すことを疎かにしたくないし、逆にヤンデレを言い訳にしたくもない。

学生の本分と僕の生きがいは比べられないからね。

さぁ、テストというヤンデレ製造機会の場へ行こうか。

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