第25話 崇拝型の才能を開花させたい ステップ2 観察してみる
彼女の後をついていってみると、彼女は僕の隣のクラスであることがわかった。
へぇ、あんな子いたのか。結構可愛いし、小動物みたいな感じの見た目に見えるから少し噂になってもいいと思うけど。
そう思い、少しそのクラスを覗いてみた。
隣のクラスも僕のクラスのように賑やかな人と静かな人に分かれている感じで、まぁおんなじ雰囲気。
えっと、彼女はっと、、あ、いたいた。ってえ?
彼女を観察してみると、彼女は突然なにもないところで転ぶ、物は落とす、人にはぶつかる、、というまぁなんというか。なるほど、かなりのドジっ子らしい。
現実で初めて見たかも。あれだけすごいドジっ子は。
僕は隣のクラスの友達に聞いてみた。
「ねぇ、あの子なんていう名前なの?」
って。
すると、色々な情報を得ることができた。
まず、彼女の名前は八代坂瑠璃。
なんと彼女は八代坂グループの一人娘。八代坂グループといえば、日本で知らない人はいないトップクラスのグループ。文房具から家具、飛行機の部品まで幅広く扱っている大企業。
その一人娘とあればさぞかし、高飛車な性格かと思いきや、それが全くの逆。
なにがいいか聞いても私はなんでもいいよって言う、まあいわゆる内気な性格で流されやすく、簡単に言うと自分がないように見えるようだ。
自分の意見は言わないし、周りに合わせがち。それが自分の意見があまりないと見られ、話してて面白くないというか、影が薄いというかで、周りとうまく溶け込むことができていないらしい。
まあ、それだけじゃなく、半端じゃなくお金持ちなことから、そもそもその性格じゃなくてもクラスメイトから浮いちゃうと思うけどねって友達は言っていた。
ふーん、だからあんまり噂になってなかったのか。
はっきり言って可愛いし、少しドジなところはあるようだが、素直そうで優しそうなのに、あまり自我がないように見えることで、周りから浮いていてはあまりにも寂しい。
まぁ、確かに毎日話す子がいつも自分に意見を合わせてきたら少しは自分の意見言ってよってイライラしてしまうかもしれない。
しかし、そんな彼女のネガティブなところも、ヤンデレの才能が開花すれば変わる。
彼女の自分の意見がうまくいえないところは、相手の意見を尊重できるということ。
自信のない性格は誰かを引き立て、相手を尊重する個性に。自分の意見のいえない性格は、誰かを指標とすることで、自信のない自分から、好きな相手の意見に寄り添う自分として自我を確立することができる。
とまぁ、ヤンデレの才能は秘めているとは思うが、少し難しい。
なにが難しいって、彼女の内面を知っている人が少ないこと、彼女がどことなく杉沢とも似ている雰囲気であることもあり、依存型の可能性も高いと思ってしまえること。
依存型と妄想型は才能を秘めている人が似ているとは思う。
いや別に依存型でもいいんだけど、もし彼女が妄想型の才能の方が秀でているならそちらを伸ばしたいとは思うし、、
うん、難しい!
とりあえず彼女に話しかけてみて才能の芽がどちらかを見極めることにする。
だってそうしないとどっちの才能があるのかなんてわかるわけないし。だって僕はただのヤンデレ好きであってヤンデレマスターではないから。いつかはヤンデレマスターになるけど。
というか、なんだか、異性に話しかけるのも慣れてきた気がする。
僕はヤンデレの才能を開花させていく中で、自分の異性に対する耐性の向上も行うことができていると思う。すごい、これはとてつもない成長だよ!
もっと話術が向上すれば、より多くのヤンデレを生み出すことができるし、そうすればヤンデレに出会える人が増えるし、その優しいヤンデレの輪の中でまた新しいヤンデレが生まれるし…。
え?最高じゃない?僕ももっと成長しなくては!
まぁ、でも今はとりあえず目の前のヤンデレを生み出すってことで。
とりあえず、次のターゲットはあの子で。
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