第4話 依存型の才能を開花させたい step4 共通の話題から仲良くなる
今日は、作戦二日目。
今日も、挨拶と話をしなくては。
昨日は、彼女が読んでいた小説を買って読んでみた。話の種になればと思って読んだだけだったが、思いの外面白かったから一晩で読むことができた。
別に面白くなくても彼女に嘘をついて感想を伝えることもできるけど、僕は出来るだけ嘘をつきたくなかった。
ヤンデレ候補に嘘をつくなんて僕には耐えられない。
嘘をつかれるのは僕だけでいい、なんて。
教室に入るともう彼女はいた。
よかった、また本を読んでいる。話しかけやすい。
「おはよう!杉沢さん。昨日教えてくれた小説、昨日買って読んでみた!すごく面白かったね。なんかしりとりとか使ってあって」
と一気に話しかけた。どうだ!無理か?
すると彼女はまた驚いた表情を見せていたが、
「お、おはよう。よかった、私もこれ好きなの」
と返してくれた。
やった!昨日よりも顔が綻んでる気がする。
よかったぁ。
そこから僕らは昨日よりも少し話をすることができた。
僕も彼女もぐいぐい話すことはできなかったけれど、少しずつ、小説の話をした。
彼女とはこの日を境に少しずつ仲良くなっていった。
朝、挨拶をし、1日前に教えてもらった小説の感想を僕が伝え、彼女も感想を伝える。
そしてまた新しい小説を彼女が教えてくれる。
話す時間は決して長いとは言えないが、確実に仲良くなっていっていると思う。
彼女も少しずつではあるが、心を許してきてくれているのか笑顔が見えるようになってきた。
それに、なんといっても彼女から挨拶をしてくれるようになったのだ。
これは大きな一歩と言えるだろう。
そしてそんな日々が続いた今日の僕には、大きな目標がある。
“連絡先を交換する”
これはなんと大きな壁であろうか。
異性に連絡先を聞くと言うのは、なんか少なからず好意を持っていると言うのが伝わる気がする。
しかし、そんなことで足踏みをするわけにはいかない。
しかし、言うのだ。
ここから始めないと始まらない。
そうだ、言うぞ。言うぞ。
僕は意を決して教室へ足を踏み入れた。
すると、
「あ、あの、私高城くんの連絡先、教えて欲しいんだけど…」
と彼女の方から連絡先を聞いてきたのだ!
なんと言うことだろう。
アメイジング!
「もちろん!僕も聞きたいと思ってたんだよね。いつでも連絡してきていいから。夜中とかでも全然!」
と僕は喜んで返した。
彼女は夜中になんてしないよーと笑いながら、僕と連絡先を交換した。
冗談じゃないのにな。
僕は家に帰ると連絡先を交換したと言う事実を噛み締めた。
正直、ワクワクする。
連絡先を交換した、言うことはつまり、彼女から連絡が来るかもしれないと言うこと。
ということは、彼女から連なるように連絡がきたり、深夜に電話が来たりするかもしれないと言うこと…。
うん、やばい。冷静に考えて鼻血でる。
よし、まず一つ目はクリア。
明日からはヤンデレ才能開花に向けたサポートをしていくか。
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