第6話 鹿島林檎
あの後、散り散りになった運動部の先輩たちはゲリラとなり、校内の至るところで勧誘を展開したらしいのだが、そこで文化部勧誘組と抗争になり火花が散ったらしい。知らんけど。
ケツ出したままの剣道部員たちは俺が1人ずつ保健室に運ぼうとしたんだけど、
「ケツジカ叩きの快感ヤバイ」
的な感じで全然痛くなさそうだったので、関わらないことにした。
そんな説明を鹿島家でしている。林檎は目を輝かせながらうんうんと頷きまくっていた。
「おにぃの高校、楽しそう。早く行きたい」
「この説明で楽しそうと思ったおまえが心配だよ林檎」
ヤバイやつがいっぱいいるから気をつけろよ?って説明なのに。なんでニコニコスマイルで聞いてんだ?
「おにぃのクラス、かわいい子、いなかった?」
「あいつらより?」
「うん。それって林檎も含まれてる?」
「ああ、うん・・・林檎は可愛いんじゃないか?」
「やったね!」
改めて林檎を見る。茶髪のボブカットで、ヘアピンを眉上に常時装着している可愛らしい妹分だ。梨奈と身長が同じくらいであり、小さい。小動物系。ただし貧乳である。
「つーか、可愛いやつしかいなくてだな・・・」
「おにぃも大変。かわいい子が4人もいて」
「ああ、京子姉はちょっと可愛いとは違うな。綺麗系ですな」
「ふむふむ」
「ドリルはドジっ子だし、梨奈は勝気でイケイケだけど、どっちも守ってあげたくなる部類だよな」
「林檎は?」
「おまえが1番、何考えてるかわかんねーよ。林檎」
「褒めてる?」
「褒めてる褒めてる。後輩なのに、末恐ろしいわ」
「えっへん」
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