第12話狙撃

「よし、ここからだと目標がよく見えるな。

それにしても...でっかい屋敷だなぁ一国の城ぐらいあるんじゃ無いか?」

「元々こっちの王族が別荘としていた建物を占拠したかららしいですよ。王族があそこで

1人襲われて行方不明になってますし、監禁されているのかも知れませんね。」

「そうだな、っとそろそろ狙撃銃出しとけよ」


そう言って俺は皮でできたスナイパーケース

からスナイパーを取り出す。


「あれ?スコープがねぇ?」


それには何故かスコープが付いてなかった。

現実でもシモヘイヘのようなスナイパーはノースコープでの狙撃をしていたが俺達にそんな化け物みたいな技は出来るわけない。


「スコープってなんです?そんな部品なんてありませんけど?」

「えっ、覗き込んで敵の位置を確認する奴…」

「そんなのあったらどんだけ便利になると

思ってるんですか〜」


まじか、銃があったから大丈夫だと思ってたけどあれは魔法の一部になるのか。化学的な技術はやはり地球に比べるとかなり劣るな。


「でも、私作って欲しいものなら言ってくださいよ。創生魔法でサクッと作っちゃいますよ!」

「まじ?じゃあこんな感じの作ってくれ」


とスコープの詳細を伝えるとミントは呪文を

唱え始めた。

「この世におられる全ての精霊よ。我の望む物を与えたまえ。」


そう言って手のひらを上に向けていると手が光り始めてそこから2つのスコープがでてきた

「すげ、完璧だ。めちゃめちゃスコープじゃん

ありがとう。」

「えへへ、お役に立てて嬉しいですけどそんなので敵が近くに見えるんですか?」

「ミント君よ、光というものはね曲がるんだよ。それを見やすい大きさまで曲げれば打ちやすくなるんだよっ」


そう言いながら取り付けたスコープにより、

格段に見やすくなった。


「よし、まずは見張りをしながらやるときには言うからな。」

「はい、頑張りましょう。」


そして一週間が経った。


「奴がもう少しで当たるところまでまで出てくる時間になります。」

「分かった。今日決めるぞ。逃げる準備もするが、狙撃の判定も頼む。万が一俺が撃ち漏らしたらミントが撃ってくれ。」


そう言った俺はスナイパーを構える。


「分かりました。後1分です。」


そして奴は出てきた。流石のガードだ何人も護衛人がいる。しかしそれより目立っていたのはそいつは前までつけていなかった物をつけていた事だ。


「青の隷属腕輪、誰か奴隷がいるんですかね?あれ?ルイスさん?」


俺は固まってしまった。あの模様は、ガイアの隷属腕輪と同じ物だ。あいつが、ガイア達をあんな目にっ!


すると俺はミントにデコピンされる。

「ダメです、あれに関して何かあるんでしょうけど焦ったら今までのものが台無しになります。落ち着いて、慎重に」

「あぁ、そうだな。」


頭が冴える。まさしく世界が自分と相手に糸が張られているようにブレが少なくなって行く、無に近づく。


「自分が狩るだけの立場だと思うな。常に取り合いだと言うことを忘れるな。」

ミントの声が聞こえる。

ブレを止める為息を止め、

バァァァン!

「ヒット、対象即死」

「移動だ。」


その後はミントが創生魔法で出してくれていた迷彩マントを被りながら見事生き残る事に成功した。


「ルイス先輩!」

「どうした?」

「今回はありがとうございました。今度は沢山勉強して、腕を上げて帰ってくるので待っててください!私もあなた、見たいにぃ!」

「おいおい泣くなよ!俺も凄くなるからな!約束だぞ」

「はいっ!」


そう言って前みたいにガッチリと手を組む

この2人が後に英雄と呼ばれるのはもっと先の話。

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