第7話メイド出来ちゃったぜ

俺はテルに自分がルイスでは無いことを伝えた後、彼女は俺がどんな人間だったのかにむいて聞いてきた。そこで俺は前の世界のことについて沢山の事を教えた。


「そっちは戦争も無くて、技術もこっちより凄いなんて羨ましいね。」

「だからこそこっちに来た時に上官に頭はたかれた時はビックリしたけどな。」

「ねぇ、君のホントの名前はなんなの?なんでこっちの世界に来れたの?」

「俺か?俺は一条歩夢って言うんだ。

一条波瑠って言うほんとにテルにそっくりな妹がいたんだけどなぁ。」

「いたんだけど?」

「車っていう、今で言う竜車みたいな人を乗せて動く鉄の塊に引かれそうだったから助けてそのまま俺はひき肉ですよ。」

「優しいね、自分の命を落としても妹を守ったんだから。」

「そう言ってくれると嬉しいな。あ、でも名前呼ぶ時はルイスにしてくれよ?」

「ん、分かった」


俺はルイスとしてではなく、一条歩夢としてテルと仲良くなれる事に成功した。


「じゃあ一回晩飯の準備するから戻るぞ。

テルの分も準備してやるから楽しみにしとけ」

「ありがとう。じゃあ、テントで待ってる。」

「何処から敵が来てもおかしくないから気をつけるんだぞ。」

「ルイスは過保護すぎ。」


そう言いながら彼女に手を振ってテントに戻る。


「帰ったぞガイナ。腕の調子はどうだ?」

「おかえりなさい。医療用の義手前の腕と変わらない感じで使えるので、実質元に戻ったみたいです。」

「そうか!本来は医療班に治してもらいたいが敵兵を治せはさすがに言えないからなぁ」

「私はあなたのメイドになったんだし、もっと働けるように頑張ります。」


そう言いながら腕をまくると従属の契約の紋章が描かれた義手が出てきてキュッと金具同士が擦れ合う音がする。


彼女が俺の従属になったのには理由がある。

1つは単純に匿ってくれるのならメイドとして

いる方が良いのでは無いかと言われた事だ。

俺は弱小だか貴族の家系のようで、メイドを連れてきていてもおかしくは無いようにしたのだ。

しかしメイドは悪い言い方をするとこの世界では半奴隷状態という扱いになる。


そのメイドは雇い主の持ち主とされ、

他の誰かが雇い主の許可なしに殺したり、

傷つけたりすることはできない。

その制度を逆手に使い、敵兵とバレても殺すまでには至りにくいだろうという結果になった為だ。


「まぁ、重たい話もなんだし飯でも作るか。」


そう言うと俺たちは飯の準備をする。

食品は欲しいだけキッチンから持って行って良いようだからそこは便利だなと思った。


俺は母さんも父さんも仕事は朝早く出て

夜遅くに帰ってくることが多かった為に

波瑠によく飯を作ってあげていた。

そのため料理はだいたい作れるようになったのだ。

波瑠は元気だろうか...いや、そんなわけないか目の前で兄が死んだのだから。


「あれ取ってくれ」

「はい、どうぞ」


と思考が一部共有されているためまるで熟年夫婦の様な息の合い方だ。


「なぁ」

「どうしたの?」

「これからよろしくな」

「私を殺そうとしてた人とは思えないセリフですね。」

「ごめんよぉ」


とふざけ合う

「よろしくね。主人様。」

2人とも少し顔が赤くなる。

「あぁ」

小さく返事する。


それを見られてるとも知らず。

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