3 白衣のドール

 

「じゃ今回の学祭で上演る劇のヒロインは小森コモリサンにお願いするね。はい、コレ台本。これから他の役決めとくから、一足先に主人公役の宮下ミヤシタクンと読み合わせしといて。」

「はいっ、頑張りますっ。」

「よろしく!小森さん。それじゃあ読み合わせしようか。ここだと邪魔になりそうだから、舞台袖にでも。」

「───うん。」


 手渡される台本は『ル・シッド』。近世フランス悲喜劇の傑作と聞いている。

 わたしは主人公を侮辱した敵の娘の役で、主人公とその敵役である自分の父親の間の戦いに翻弄されながらも最後には主人公と結ばれる。とても重要な役どころだ。

 わたしは宮下君に言われるまま彼に付いてまだ役の配分が続く舞台中央を離れ下手しもてに移動をはじめた。


 ───わたしがこの風景を見るのは二回目だ。日付けが二週間分ずれて現実が理想に書き換わっていた。



 わたしは大学に入ってインカレの演劇サークルに入った。大学のゼミの教授が心理学の中でも演劇セラピーを専門にしていて、劇に興味を持ったからだ。

 今まで劇なんか学校の総合学習くらいでしか観たことはないし、自分が演じる側になるとなんて考えたことも無かったけれど、周りの影響もあってわたしはそれに魅せられていった。

 劇というものは関わってみると意外と興味深い。サークルは大学生中心のそれにしては少し珍しく古典に題を取った劇をメインにしていて少し歴史や文学の勉強にもなり、授業資料のために図書館へ行くことが楽しみにもなった。


 しかし、そこで問題になったのは経験の壁。わたしの大学は中学校と高校が付属していて芸能コースがある。同じ大学から参加している他のメンバーは皆何かしら演劇経験があって大学から入学したわたしはあまり馴染めなかったのだ。サークルの他のメンバーも同じようなもので、現に主役の宮下君も芸能系の専門学校に通いながらその傍らこのサークルに参加している。

 一応建前としては皆に役を回すことを謳ったサークルだが、やはり役は経験者に集中してわたしはずっと小道具担当のままだった。演劇論や発声も勉強したけれど、この二年間で上手くなったのは裁縫だけ。


「恋美は女の子なんだからわざわざ大学に行かなくてもいいでしょう。せっかくお裁縫も上手なんだからお祖母ばーちゃんのお店のお手伝いしながら花嫁修業でもしたらどう?。お母さんもお祖母ちゃんも色んな人紹介できるわよ。」

 田舎に置いてきた時代錯誤な家族の言葉が裁縫道具を見るたびに思い出される。

 

 もちろん、裏方が無くてはならない仕事であることも分かっている。けれど、けれど───それよりも出演たかった。せっかく劇に携わっているからには、一度でいいから舞台の中央で輝いてみたかった。


 来年には資格試験も就職活動もあり、卒業してからは奨学金の返済で演劇に携われる時間もお金もこれ以上ありはしない。劇に関われる最後の一年。何としてでも、一度主役になってみたい。きっとこの先の人生、主役になれることなんてきっと無いだろうから。



 そんなときに。彼女シャルトロットに出逢った。ゴールデンウイークにある学祭の役振りの日。今回もわたしは小道具係のままで、それで少し荒れてお酒を飲んだ夜。孤独な浅い眠りの中で夢のような出会いをした。


 場所は教会?それとも修道院? 夢の中だから何でもありなのだろう。石材と板を組み合わせて造られた質素だが力強さを感じる西洋式の建物。広い礼拝堂には十字架と像が飾られ、窓の向こうには見渡す限りのブドウ畑が広がっている。


「ごきげんよう。素敵な夢を持っていらっしゃるあなた。わたくし名をシャルロット・コルデーと申します。」

 振り返ると十字架を背に立っているのは修道服を身に付けた若い女性。煌めく緑の目の色は窓の外に茂る若々しい青葉のようだった。軽くお辞儀をするとヒールを鳴らしながらこちらに歩み寄って来て、優しくわたしの手を取る。

「わたくし少し人捜しをしているのですが……身体が無いので困っているのです。どうかあなたの身体を貸してくださりませんか。見返りにわたくしに出来ることはなんでもいたしましょう。どうですか?」

「ご、ごきげんよう。ってなにこの夢⁉ 悪酔いしちゃったかな。それじゃもうひと眠り───」

「落ち着いてください。決して夢などではありませんよ。確かにこの世界で起こる現実ですわ。───まぁなんでもといってもわたくし家事とことくらいしかできませんがね。ですが人間の思い付くことくらいなら何でもやってみせましょう。」

「───それ本気で言ってるの?」

「もし一切証拠も残さず、まるでその方が元から居なかったかのように殺すことができるとするならば───どうでしょう。わたくしにはそれだけのことをできる『誓約チカラ』がありますの。ですからさぁ首を縦に振って───」

 言葉を失うわたしの頬に優しく両手を伸ばすシスターはさしずめ神様か聖母のようだった。

 

 こういうの、演劇の脚本で見たことがある。宗教や寓話を題にとった作品に見られる、願いを叶えてくれる超常の存在。どうしたものか、課題と練習で根を詰めすぎで幻でも見ているのだろうか。

 頭の中にこだまする声はあまりにも優しく甘美で、どうせ夢ならば───と、わたしは言われるままに頷いてしまった。

 シャルロット……彼女の瞳は翡翠の色に澄んでいて取り込まれてしまいそうなほどに美しい。殺ししかできない、と口にしている言葉は恐ろしいはずなのに、穏やかな声色はまるで細い注射針のようにスッと心の中に違和感なく刺し込まれるようで、すぐにわたしの気持ちを蕩かしていった。


「ならば契約成立です。ではお名前を教えて下さいまし。」

恋美レミ……です。」

レミRemy。漕ぎ手さんですか。承りました。わたくしのお仕事は夜に行いますのであなたは寝ていて下さって構いません。それではさて───腰を据えて『あの方』を探したいので、まずはあなたの望みをから叶えてしまいましょうか。」

 ずい、とライトグリーンの丸い瞳が迫る。

 所詮夢の中でしょ、どうせわたしの心の中だけのお話。それならここで何を言ったって構わない。 明晰夢の話は臨床心理学の講義で聞いたばかりだ。わたしは一つ願いを心に思う。


「わたしは、劇で主役になりたい。」


 どうせ人生で主役になんてなれやしないのだから。

 しかしそれには壁が多すぎる。経験者の上手な人たち、あの人たちがいなければ舞台に立てていたのかなと考えたことが無いといったら嘘になる。わたしの口からこぼれた願いは冗談であっても言ってはならない、一線を越えたものだった。


「わたしは劇に出たい。舞台で光を浴びてみたい。けど今のままだったら絶対に無理。だから───今のメインキャストの人たちに消えてほしい。」

「劇───。いいですわね。わたくし読書も劇も大好きでしたわよ。」



 しかしそれは夢ではなかった。

 次の日から毎夜、シャルロットがわたしの意識を乗っ取るようになった。彼女が『あの方』と呼ぶ人物を求めて深夜の街を彷徨うついでに、彼女はわたしの願いに沿って人を殺していく。

 まずはメインで役を演じる女性キャスト二人と、役を割り振る脚本チーフを一人。その数は彼女と出会った次の日の夜だけで三人に及んだ。


「やっぱりこれって現実、なの?」

「はい、もちろんです。殺しましたよ。」

 左胸を包丁で貫かれ一瞬で絶命した顔見知り。初めてそれを目撃した時、目の前の景色を信じられなくてそう尋ねた。その質問に答えるシャルロットには何の感慨も無い。その声色は『これで満足ですか?』とでもいった感じで、あの時ははなんて不用意なことを言ったのだと恐怖を覚えた。


 彼女は道行く人の眼なんて気にも留めず裏路地に連れ込んだり鍵を壊したりの大立ち回りを演じ、ターゲットにした人たちの心臓を一突きにして即死させる。死体すらもそのまま棄て置いて夜の街を進んでいく。

 初めてそれを夢のように心の内側から見ていたわたしは大丈夫かと訴えた。本当に人が死んでいるのかと。そして次第に情緒が麻痺していって、一週間が経つ頃にはわたしの関心は人が死んでいることの恐怖そのものよりその罪が露呈しないかに変わっていった。


「問題ありませんわ。わたくしたちドールを捉えることができるのは同族のドールのみ、ドールよって消されたヒトは存在ごと消える。そう聞き及んでいますわよ。」

「本当に?それって誰から聞いたの?」

「ん…… ───さて、忘れてしましましたわ。何というかとても昔に、とても大きな存在だった気がいたしますが─── そんなことよりも、この方たちだけで満足ですか? これでレミは安心して舞台に立てそうですか?」

「うーん。じゃあもう少しだけ。」

 シャルロットが殺しを行った次の日わたしは必ずニュースサイトと、駅のキオスクで買った新聞の地域欄を目を皿のようにして探すようにした。しかし何日経ってもそこにはわたしシャルロットのことも殺人事件のことも載っていない。彼女の言う通りわたしたちの凶行は誰にも気付かれていないようだった。

「嘘みたい。今まではどう頑張っても無理だったのに。こんなに簡単なんて。」

 こんなに簡単なんて。



 そうして今に至る。

 サークルのメンバー数は少し減り、知らない顔も混じっている。そしてこれまた知らない顔の脚本チーフから台本を手渡され、周囲は何の違和感も無くそれを受け入れていた。一か月前の役振りが再現された。役だけを変えて、わたしを中心にして。


「はいっ、頑張りますっ。」

「それはよかったです。これで満足できましたか、レミ。」

「───うん。」

 心の中から声。いけないことだと分かっていても喜んでしまう。正直今はでもまだ実味がないのだ。本当に何事も無かったかのように人が消えてしまって、これを現実と信じろという方が無理な話だ。この世界に残っているのはわたしが主役になったという結果だけ。

 夢や幻と変わらない。もしかしたらシャルロットと出会ってからずっと長い夢を見続けているかもしれないとも考えてしまうくらいだ。しかし、当たり前のように進んでいく練習はこれが現実なのだとも伝えている。


 「それでは今夜から本格的に人捜しです。今度はレミ、あなたにわたくしの願いを叶えるお手伝いさせていただきますわよ。」

 その時わたしは無邪気に快い返事をした。探している人が見つかるまで彼女が夜歩き回るための身体を貸せばいいだけだと考えていたから。


 しかし、不思議な力を授かった者はそれ相応の試練や苦難を受ける。それが物語のお約束というものだ。ましてやそれを私欲に使う浅ましい人物だったとすれば、なおさら。取り返しのつかないことをしてしまったと気づくまでにはもう少し時間がかかった。



               ・・・



 今日も今日とて例のドールの徘徊している街に出向く。降本フルモト市。典型的な首都隣県のベッドタウンで教育施設や商業施設、医療施設や交通網と生活基盤こそしっかりしているが取り立ててこれといった特徴は無い。目指す先には都市開発によってできた画一的な住宅街が広がっているだけだ。

 市には若者向けのショッピングストリートとその近隣に少し治安の悪い地区も存在しているという話をニュースで聞いたがそれは俺には関係なく、今追っている修道女もその近辺にはさしたる興味を示していない。俺が彼女とぶつかったのはいつも住宅街側だった。過去の傾向から考えるとそちらを張っていればいずれ出会えるはずだ。


仮設通路をプロビジョナル・ステップ』。

 イメージするものはセメント材のケイ酸カルシウムと骨材になる砂利、あとは適量の水。一言唱えると、交差点を挟んで斜めに向かい合うビルの屋上がコンクリート柱で結ばれた。


 俺の能力は構造と組成さえ解っていれば何でも創ることができる。武器でも機械でも道でさえも。創造から一分ほどの短時間で消滅してしまうことを他にすれば使い勝手には何の文句もない。


 統京トウキョウからは県境を越えることになるため、ドールの強化された足でも二、三十分ほどはかかるだろう。勉強中の自動車工学や航空力学を活用して更に速く移動できるようにしてもよいが、エンジン装置を使う消滅のタイミングを見誤った場合のリスクが大きい。高速で空中に放り出されてはたまったものではない。


 そしてなによりも───完璧に理解していないモノになど頼りたくない。


 本来通れない部分に無理矢理道を創りより高所から目標を補足する。これが現状最も効率的な手段であると選択し彼女を追いかける。能力で創った、これもまたすぐに消えてしまうオペラグラスを使い捨てにしながら眼下の街を探っていると、ふと俺は視界の端に異常を確認した。


 赤い華が咲いている、と。

 望遠レンズを創って接視すると、それは片道二車線のバス通りに隣り合った歩道の真ん中に倒れ込んだ人型とその周りに飛び散る血痕だった。夜も遅いとはいえ道にはまだまばらに車通りも人影もあったが、彼らは皆一様にそれを気に留めずに通り過ぎて行く。べつだん騒ぎが起こっている様子もない。行き倒れの彼または彼女は人間の眼に全く映っていないようだった。これはもしかすると───

「『人形ドール』か!」

 いや、まだその可能性が高いというべきか。ならば今夜の予定は急遽変更だ。次のビルへ伸ばした橋を放置して、代わりにビル外付けの非常階段の手すりに造形したロープを結んでそれを掴むと一気に地上まで滑り下りた。もちろん掌がズタズタにならないように厚い手袋も創ってからだ。


 着地地点から先ほど確認した場所までは五百メートルほど。駆け寄ると思わず溜め息が漏れた。これは事態が動くかもしれない。


 横断歩道から伸びる点字ブロックを覆うように倒れていたのは制服を着た女学生だった。ボタンが外れたボロボロの上着を広げ、左手には片方の肩紐が切れたカバン。そしてもう片方の右手には剣───推定十代付近の彼女には不釣り合いに思われる大きすぎる剣。


 長さは彼女の身長と同じくらいで150センチほど、その三分の二ほどが刃として機能する部分のようだった。そして何よりも特徴的なのはその形、合板をそのまま刃にしたような細長い長方形の刀身と、もう一つ剣が組み合わされたように金属や骨組みが複雑に絡み合う鍔の装飾。その個性的な姿形からこの剣の出所が普通でないなのは明らかだ。


「ビンゴだ…… さて、出血が多いがまだ呼吸はある。意識は……無いか。」

 まずは脈と呼吸を確かめた。どう見ても深手を負っている。背中には黒いブレザーの上からでもはっきりと分かる血の水玉模様があちこちにできていて早急な処置が必要なようだと判断した。傷は主に刺傷と裂傷。まだ詳しくは診ていないので断定はできないが、傷の様子から凶器は恐らく短い刃物───例えば包丁やナイフの類によるものだと推測できよう。

 この街に他にも俺のまだ確認していないドールが居るのならば話は別だが、現状を考えるとこの少女を襲ったのは件のナイフ使い、俺の追いかけている修道女であると考えるのが自然だろう。

 

 それならば、こいつには話を聞く必要がある。

「死ぬなよ。そうされると俺が困る。」

 応急手当のための包帯を創ろうとしてすぐに考え直した。応急手当が一分で消えてしまっては意味がない。代わりに創ったナイフで白衣を裂いて即席の包帯にしてそれで圧迫してやる。


 彼女のものであろう鞄を拾い、少女の方は左肩に担ぐようにして持ち上げるとさらに呼吸が細くなった。彼女の手から離れた大剣は地面に落ちて音を立てる前に銀の粒子になって消えた。このデカブツは能力で維持されていたものらしい。彼女の『誓約』ならば調査したかったが、仕方ない。荷物が少なくなって助かる。 


 俺のためにも死ぬんじゃないぞ。同族ドールの少女を抱いたまま、往路に比べて復路はより迅速に、より慎重に夜の街を行くことにした。



               ・・・



「逃げ切られてしまいましたか。」

 赤い血を流す右手の甲を押さえながらシャルロットは呟いた。少女に拳を打ち込む寸前に剣が掠っていたのだ。その小さな傷が彼女のパフォーマンスに何らかの影響を及ぼすとは思えなかったが、修道女は適当なところで追跡を打ち切った。


「『殺すつもりはない』とは言ってたけど、あの傷じゃもしかしたら死んでるかも───」

「『あの方』はそれほどヤワではありませんし、罪を見逃せるような人でもありません。必ずわたくしを断罪するため舞い戻るでしょう。それに家も学校も分かっているのですから、また見つけること自体は簡単です。そんなことよりも、レミ。」

 ギロリとライトグリーンの輝きが彼女の中に居るわたしを睨み下ろした。

「あの娘に情けを掛けようとしましたね。」


「それはその…… これで最後だって思ったらこれまでのことが頭の中に───。それにあの子が死ななきゃいけない理由だって。」

「彼女は『あの方』の憑代になったのですよ。それだけ死ぬには充分ですの。」

「なにか他にやり方はないの。『あの方』さんだけをあの子の身体から引きはがすみたいなさぁ!」

「何をそこまで食い下がるのですか?それとも初めて会ったときの約束を忘れてしまったのでしょうか?」

「忘れてなんかないよ……けどっ。あの方あの方ってばっかりでシャルロットが何も言ってくれないから一緒にいて不安になるの!ドールの力で殺した人がいなくなる理由だって知らないままだし!」

「それに今シャルロットが話しかけてもなんにも教えてもらえなかったかったんだし、もしかしたら別人だとか、大した人じゃないんじゃないの⁉」

「まさか…… そんなこと…… わたくしが間違えるはずがありません。あの小娘は『あの方』に違いないのです。レミはわたくしの愛を疑うというのですかっ!!」


 なんだか怒られているように思って感情的に言い返す言葉。それがシャルロットをひどく傷付けたと分かったのは数秒経ってから。


「いいでしょう。そこまで『あの方』を疑うのなら、そこまで気になるなら納得するまで見せて差し上げましょう。わたくしの想い記憶を。」

 怪しく輝く緑の光。とても嫌な予感がしたけれど、気付いた時にはもう遅かった。

「待って!違うの!わたしの話を聞いてっ!」

「その代わりに事が終わるまでは口出し無用です。約束を先に破ったのはレミ、あなたの方なのですからね。」


 突如として溢れる、圧し潰されるような記憶の奔流。革命に揺れる自由と平等と博愛の国の風景。顔を上げるとシャルロットの意識は遥か彼方でギラギラと目を輝かせていてわたしはその目に映っていない。

 あぁ、やっぱりわたしはいけないことをしたんだ。薄れる意識。彼女の奥底に閉じ込められながら最後にそんなことを考えた。


 早く、終わって─── 

 



               ・・・



 次に目を開くと知らない場所だった。清潔なベッドに寝かされ視線の先は白い石膏ボードの天井。包帯できつく縛られているらしい上半身を起こすとあちこちに鈍い痛みが走る感覚がする。軽い冷房の効いた空気には消毒液と病の香りが混じっていた。ここは───病院かな?

「起きたな。十時間と三十分、傷の割にはだいぶ早い。苦しいなら身体を動かすな。血液検査をしてから輸血はしたがあんまり動くとまた貧血で倒れることになるぞ。」

 傍らからは低い声。思わず肩を縮こめてしまい、そのせいでより強まった刺すような痛みは奥歯をきつく噛んで我慢した。


 顔を上げると声の主は昼の眩しい光で逆光になって見えない。私が光に目を細めたのに気付いたのかその人はカーテンを閉めてくれて、現れたのはさっきの黒い影とは正反対、真っ白な白衣を羽織った若い男の人だった。

 歳は私より一回り上くらい、二十代初めくらいのすらりとしているが筋肉質な容貌。艶のある黒髪と、前髪を上げた髪型のせいでよく見えるサファイア色の瞳が蛍光灯の光を吸って深い湖を覗き込んだように暗く輝いているのが印象的だった。 

「あっ、ありがとうござ───」

 ここはどこ。あなたが助けてくれたんですか。いくつもの質問が頭の中で渋滞して結局口にできたのはそれだけ。続く言葉を探してつかえた私を遮るように青年は右手を軽く挙げた。


 サイズの大きな白衣の袖が熱帯魚の飾り鰭のように宙を泳ぎ───空気を切り裂いて剣が現れる。

 いかにも西洋のお城や博物館なんかに飾ってありそうな直刀、銀色の鋭い切っ先は手品みたいに空中に浮いたまま私を指し示し、それで私は目を閉じる前の景色を思い出した。身体を貫く薄い鋼と、何もできずに逃げ惑うことしかできなかった無力な自分。私は反射的に両腕で身体をキュッと抱きしめてしまう。

「手短にいこう、砺波瑠依トナミルイ。俺は二瀬永遠フタセトワだ。これで挨拶は済んだな。お前は俺の訊くことだけに答えてくれればいい。」



 自分を射抜こうとする刃先の鋭角に怯えたのだろう。紅い瞳の少女は身体を強張らせガクガクと頭を縦に振る。倒れた原因が原因なだけにそれも仕方ないか。

 意識が明瞭で理論だった判断反応ができさえすればそれで十分だ。相手が従順なら不必要に脅す必要もない。俺は手を振って剣の造形を止めた。柄や鍔を省略して作ったシンプルな刀身だけの剣は銀の砂になって消えていく。

「お前は何者かに刺し殺されそうになって、命からがら逃げだして気を失った。そそれで合っているか?」

 また彼女は下手な操者のマリオネットようにかくついた頷きで肯定を示す。

「俺はそこを助けただけだ。今のところはお前を害する気も無い、だから無駄に怯えるな。俺がお前に求めているものはその直前の状況についての説明だけ、できるだけ詳細に頼む。」


 ベッドの横に置かれたパイプ椅子に腰を下ろすと腕を組む。そうして聞く姿勢を示すと彼女はゆっくりと話し始めた。

 近隣のミッション系大学の学生を名乗る小森恋美コモリレミという女に声をかけられ、保護されるように彼女の家を訪れたこと。温和に話していた彼女が急変して訳の分からないことを問い質しながら襲い掛かってきたこと。いつの間にか大きな剣を握っていて彼女の攻撃を防いだこと。そしてそこからボロボロになりながら逃げ出してきたこと。

「その女の特徴を話せ。覚えている全てをだ。」


 その女は修道女の恰好に変身したと語った。間違いない、彼女だ。『あの方』と呼ばれる存在を探し続けている奇特なドール。研究者連中あいつらの求めている答え、ドールの生まれる理由のヒントになるかもしれない人物。


 しかし一つ俺が疑問に感じたのは、すぐに襲うでも逃げるでもなく、『義体ホスチア』を用い女優まがいのことをしてまで何故この少女と話をする時間を作ったのかということだ。奴程度の力があるならばドールの何たるかすらも知らないこの少女、瑠依を殺すことなど造作も無いはずであるのに。


 俺と対面した時とは全く異なる挙動。何故彼女はそんなことを───? それは恐らく俺が奴に対して思っているのと同じ、知りたいことや知っておくべきことがあったのだろう。

 ならば目の前の少女はシスターにとってどのような存在だったのだろうか。

「彼女と面識があったりはしないのか。」

「ない……はず。」

 曖昧な返事。不確かな返事や憶測はあまり好きではないのだが。まぁ深い関係でないことが判ればいい。


 私の目の前で青年の指が、親指、人差し指、中指と順番に伸ばされ、そして一つずつ折られる。

「───三点だ。必要な情報を与えよう。一つ目、まず彼女は、俺もだが、『人形ドール』と呼ばれる能力者で俺は彼女を追っていた。そうだな、とりあえずはフィクション映画や漫画に出てくるの超能力者のようなものだとイメージしていてくれればいい。」

 そういうと彼は両手を広げる。すると手品のようにその両の手のひらからバラバラと物が溢れて床に触れる前に消えていく。ナイフ、拳銃、何かしらのエンジンのような機械にシャープペンシル。中にはパンやチキンといった食べ物もあった。

 さっき私に突き付けられた剣もこうやって彼の能力で作られたもののようだ。


「ドールは身体能力が著しく強化され、『誓約テスタメント』と呼称される能力を用いる。例えば俺は───こうだ。自分で構造が分かっているものならばあらゆるものを創ることができる。」

 実演して納得させようとする青年の力は確かに魔法や奇跡としか例えようがないものだ。目の前で繰り広げられる光景にまだ状況を飲み込めていないわたしは、すごい……と驚くことしかできなかった。


「二つ目だ。彼女、いや小森恋美は俺の知るところでは隠密を基本として行動していたが、お前の前には自ら姿を現したということ。そして最後に三点目、彼女は『あの方』と呼ぶ存在を求めてこの近辺を探し回っていたということだ。」

 『あの方』。シスターの口から繰り返し放たれていた単語に少女はピクリと反応する。彼女もどうやらこのワードには心当たりがあるらしい。

「それは……どういうこと。」

「理解が遅いな。お前がドールであり、なおかつ彼女の尋ね人である可能性が高いということだ。もう一度説明しなければならないか?」

「私が───」

 以上のことをまず理解してもらったうえで頼みたいことがある。そんな論説文の一節のように繋げると俺は話を続ける。その内容は───


「お前にはそのドールと戦ってほしい。」

 少女は訝しげにこちらを見ていた紅い眼を丸くして驚く。それも当然だろう。この治安の良い国で当たり前を享受して生きてきた人間に殺し合いは難しい。武器を渡してさあ戦えといっても二の足を踏むのが大抵だ。ここからはそれをなんとか言い包めて、駒として動くように誘導しなければならない。

 人間の感情には疎い方だと思っている。こんなことなら誰かしら説明要員を用意した方がよかったか。


 「お前が餌になって奴を誘い出せ。俺は彼女に聞かなければならないことがあるし、彼女は一般人を複数人殺害している。犯行を看過することはできない。」

「さつが……って。 恋美さんの言っていた話って本当なの?別にこの辺りで事件が起こったなんて話は聞いてないけど。」

 ましてや殺人事件なんて。もしそんなことがあればニュースにもなるだろうし、全校集会やホームルームで何かしらの連絡があるはずだ。

「ドールは人智を超えた存在だ。人間からは知覚されない。お前は助けを求めても通行人は誰一人気付かなかったと言ったな。それと同様にドールが殺しを行っても、死ぬことがあっても、何が起きようとも普通の人間はそのことを理解しない。てしまう。」


 一応の例外は存在していて、その『ドール』は人に気付かれないだけで壁や地面をすり抜けるようなことはできず、己の意志で姿を見せようとすれば人間の前にも姿を現わすことができるらしい。

 彼の言うことはわかにには信じられないが、一度それを経験した身としてはそんなこと有り得えないと言い切ることもできなかった。


「俺はあのドールに訊きたいことがあり、そのために奴を捕らえる必要がある。しかし彼女は俺の前には現れない。そしてその一方でお前の元には自ら姿を現す。ここまで言えばあとは分かるな?お前が彼女に触れることができる。だから───戦ってくれ。」

 正義感に訴え、次に特別感を煽る。どうだろう。この少女は何に反応する。

「もちろんいきなり彼女に勝てと言うつもりはない。奴を弱らせるなり引き付けるなりで十分だ。彼女を捕縛するまでは俺も毎夜降本市を張っておいて戦闘を窺知ししだい介入するつもりだ。だからこの話を。」

「───わかった。」

 お前が断るなら別の手段を考える。だからよく考えて決めるといい。拒絶されてしまわないように逃げ道を作り心理的ハードルを下げようとした前に、意外にも少女は了承の返事を返した。


 その血の色の目に大きな迷いは感じられない。


「どうせ死んでた命だし、いいよ。あなたの言う通りに使ってあげる。」

 俺が助けたことを恩に着ているのだろうか。そんな感情は決断には無用だ。俺はただ最適解の駒としてお前を利用するつもりだったのだが─── まぁ彼女がどう思おうと俺に関係はない。計画通りに事が進んでいるのならば余計なことを言ってご破算にする必要もないだろう。

 せいぜい便利に使い潰してやろう。自分と同じように。


「それは───私にしかできないことなんだよね。」

「あぁ、その通りだ。だから頼んだ。」

 こちらの内心を知ってか知らでか、少女は顔を上げてこちらを覗き込む。赤と青が混ざって紫色の染みがお互いの目に出来上がった。この病院の人間でそんな奇特なことをする者はいなかったため、初めての感覚に俺は何とも言えない心持ちになる。


「だけど……そうだ。恋美さんに何を訊きたいの。」

 痛いところを突かれる。一瞬思考が停止していて、即座に適切な返答ができなかった。確かにこちらの開示している情報はごくわずかで様々な疑問が生まれるのも当然だ。だがしかし───初めから説明するのは手間であるし、そのほとんどは彼女に不信を与えてしまうだろうと予想される。

 なにも常に真実を語らなければならないという規則は無い。こんな時『普通』で『一般的』な人間は何を言うのだろうか。この推定十代後半の少女から最も理解と共感を得ることのできる言葉とは何だろう。


「俺はドールが生まれてきた理由を、意味を知りたい。それが俺の『夢』だ。」

「生まれてきた意味─── 夢…… そっか、すごいね。私には見れないものだ。」

 『夢』。口をついて出たでまかせ。どうだろうか。これで正解だっただろか。少女は少しだけ悲しそうな表情をしたが、それ以上なにも言おうとしない。


 解らない。やはり俺には他者ひとの感情はよく分からない。早く言質を取って終わりにしてしまおう。そうしよう。



「どうだ。さっきの回答に変わりはないか。」

「うん。」

 彼の言うことはやっぱり小説や映画の世界のようでまだ完全に理解できていないけれど、その青い眼も、冷静沈着そうな声もずっと真剣だった。彼の言葉は嘘ではない……と思う。

 死にかけているところを助けてくれた人だし、『人形ドール』の話は私が恋美さんの部屋で感じた恐怖や違和感を納得できる根拠を与えうるものだと感じられた。だから、たぶんこの答えで大丈夫。

 それに、誰かの夢の一部になれるならそれでよかった。


「了承した。それでは小森恋美を捕らえるまでの臨時契約成立だ。ならまだあと少しやるべきことがある。利き手はどちらだ、教えろ。」

 突然、毛布の上に放り出したままの手に彼の手が添えられて私は驚いた。誰かと手を繋ぐなんて、小学校低学年くらいからなかったから。久しぶりに触れ合う人の手は私よりも大きくて筋張っていて、温かかった。


「右かな。」

「これからお前の能力チカラを呼び起こす。」

「能力?さっき二瀬さんが言っていた『誓約テスタメント』ってやつ?」

「本来なら初めからできていて当然のものだ。ちゃんと聞け。」

「はっ、はい。」

「感覚的なものの説明は苦手だが、そうだな……まず目を閉じろ、それから心を落ち着けて、生物学的な情動をできるだけ起こさないように。自分の中から湧き上がってくるものに逆らわず、だがそれに塗り潰されてはいけない。───イメージしろ。己を護ったその剣の姿を。」


 握った手に重ねられた彼の掌は確かにそこに在って、信じてもいいと感じたんだ。


 言葉通りに目を閉じて、心を穏やかに。二人が黙りこくった病室には凪いだ水面に立っているかのような静寂。自分の中の時間がどんどんと引き延ばされていく感覚がして、ついにプツリと切れてしまいそうに伸びきった瞬間の、暗転。


 そうして私は熔けていった。



              ・・・



 乱雑に物を放り込んでいたオモチャ箱をひっくり返した時のようにバラバラと私の欠片が降り注ぐ。知らない人の怒鳴り声に、霧雨に翳る夜。自分で自分に創った傷痕と、大切な莉璃いもうとと一緒に見た輝く星。流れる記憶の流星群の中には、夢で見たあの灰色の世界も───


 急速に褪せていく知覚の中、目は閉じているはずなのに『あなた』の後ろ姿、黒い服の端がわずかに見えた気がして。

『きみも……そうするのか。』

 聞こえるものはあの時と同じ声。


 待って!右手を伸ばしかけた瞬間に突然圧し掛かる重量。ものすごい勢いで幻想から病室に押し戻された私の身体はベッドの右側に大きく引き寄せられ、肩の包帯の下にある創傷が悲鳴を上げる。二瀬さんが背中を支えてくれなければそのままベッドから転げ落ちていたかもしれない。


 手に添えられた温度は同じまま、一つ変わったのは私の右手には剣が握られていたこと。これは……恋美さんの刃から私を護ってくれたあの時の剣だ。

 それはあまりにも重くて大きくて、こんな重荷を手放さず走っていたのか、と改めて彼女から逃げ延びた幸運と彼に助けてもらった幸運を嚙み締める。

「よくやった。合格点をくれてやろう。」

「これが、私の……」

「そもそもドールとしての能力が発揮できなければ奴とは戦いにすらならない。今回は俺の造形のやり方を真似させたが───小森恋美とぶつかるときまでにこれぐらいはできるようになっていてくれ。」


 私はわかった。とだけ返してから、改めて剣を引き寄せて眺めてみる。

 やっぱりそれはこの身体には重すぎて、右半身の細かい傷が筋肉の可動とともに開いてピリピリと悲鳴を訴える。剣を手元に寄せようと引っ張った時に病院の白いタイルを削る音が聞こえ、剣の先端に目をやると、そこで初めてこの剣に切っ先が無いことに気付いた。


 長さ一メートル、幅はその三分の一くらいの刀身の先端は定規のように直角に切り落とされていた。これでは斬るだけで突くことができない。材質が異なる金属でできているのか刃の銀色には濃淡の二種類があって、鍔付近と、両脇の定規でいう目盛りの部分が他よりも明るくい色に輝いていた。

 柄は刀身の半分くらいの長さでこれもまた金属製、合わせた全長は私の背丈とほとんど同じ、今月の身体測定で155センチだったはずだから正確にはそのくらいか。


 私はこれを振り回して戦わなければならない。さっき『うん』とは答えたけれど、自分がこれを使いこなす姿はまだ想像できなかった。


「非効率的な剣だ。『斬り』と『突き』という剣の二つの役割のうち後者を放棄しているうえにこのサイズは過剰だろう。ただ斬るだけならこれより斧なんかの方がよほど有効だろうに。」

「カッターナイフみたいだなって思った。」

 瑠依の言うそれは言いえて妙な表現だと感心した。先端が斜めに加工されていないこと以外は、四辺形を描く大きな刃というのは伸ばされたカッターナイフの特徴をとらえていると言えなくもない。

 彼女と彼女の『憑依シャドウ』が結び付いた結果がこの剣であるというのならば部外者の俺が口出しするというのは野暮だろう。いや、待てよ。シャドウの話はまだしていない気が。


「待て。『人形ドール』についてもう一つ重要なことを教えるのを失念していた。」

「まだ何かあるの?」

「難しいことではない。ドールは一人では成立しえないということだ。俺たちは肉体である『義体ホスチア』」と能力の核である『憑依シャドウ』からできている。」

 ほすちあと、しゃどう。少女は長く話を聞いて眠たげな目で不思議そうにそう繰り返した。

「そうだ。小森恋美の人格が急変したことも、お前が彼女に襲われたこともこれで説明ができる。ドールは今を生きる人間の肉体に過去を生きた人格が憑りついてて成立している。要するに今のお前たちはシャドウ同士の追いかけっこに巻き込まれているに過ぎないということだ。」

「それって私の中にもう一人誰かがいるってこと? 誰なの?」

「それはお前にしか分からないことだ。剣を持つときに何者の姿を見たり会話をすることはなかったか。」

 さっきの景色で思い出した。あの時の灰色の夢には男の人がいた。けれど彼から感じたのもは───とてつもなく強い拒絶。

「───特になかったかな。ねえ、二瀬さんのシャドウはどんな人なの。」

「……それは今関係ない。ともかく、だ。俺たちは過去の何者かの願いや未練を叶えるために選ばれた傀儡にんぎょう。だから人形ドールと呼ばれるわけだ。」

「じゃあ私、選んでもらったのかな。」

「調子に乗るな。本来ならドールはホスチアとシャドウが二人三脚で対話しながら強くなるものだ。シャドウの顔も知らないお前の現状は異常だといっていい。だからその剣だけでも理解しろ。そこにシャドウの手がかりはきっとある。」

「そんなこと言っても……」


 まだ何か言いたげであったが、それを最後に瑠依はグラリと頭を大きく揺らすとベッドに倒れ込んだ。事情を事細かに訊いて、能力を使わせて、負傷した身体に柵に頭を打つかと思って慌てて手を差し伸べたが、その心配も杞憂にして少女の頭は元の枕のくぼみへすっぽりと収まる。白灰色の髪が衝撃で乱れて閉じられた目を無造作に隠した。

 

「選んでもらった、か…… 俺たちは都合のいい道具にされているだけかもしれないのに呑気なことだ。」

 シャドウのことが何も分からないならばデータ取りにもなりやしない。彼女がそれを知るのが先か、それとも死ぬのが先か。俺のためにも出来るなら前者であってほしいものだ。今のうちに彼女の剣だけでも調査鑑定しておこうとベッドの右側を見たが、既に剣は消え去っしまっていた。


 しばらくして細い寝息を立て始めた少女に栄養点滴を打っておくとそれ以上彼女を眺めているのも違う気がして、ベッドを離れて壁際のスチールデスクへ移動する。修道女のドールの件が一つ大きく進展したのならば、次はこの───画家のドールに接触しておこうか。

 

 液晶画面に映ったマップに表示されるのは首都圏の軽度建造物損壊事件発生場所、いわゆる落書き犯罪のデータ。細かい地図に表示される無数の点を見て俺は深い思考へと没入した。

 

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