ダンジョン破壊編
第016話
「まずは走れ。戦うにしても逃げるにしても体力が必須だ。だから走れ。」
俺は屋敷と外を案内した翌日、屋敷の裏、右奥にある運動場で子供達と先生を体力限界までとにかく走らせていた。
「お疲れ様。魔力を感知してもらう。」
「「「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」」」
「「「……」」」
「死ぬぅ。」
「部活よりキツい。」
「「「……」」」
手を膝に置き荒い呼吸をするカネウチ タダシやノダ ノブナガ、キシ アイコら運動部所属だった子供達に疲労回復入りの飲み物を渡し、走り終わりぶっ倒れて身体全体で荒い呼吸をする他子供達と先生、ミヨとシオリに疲労回復入りの飲み物を一人一人飲ませた。
飲ませてやった男子スガワラ トオルが「可愛い女子か女性に飲ませてもらいたかった」と呟いたから、「悪かったな」と軽くデコピンをした。
休んでいる間に魔法を使う為に魔力を感知してもらう。
全員に魔力の塊をぶつけたり、少量の魔力を送り込み体の中を循環させる。
ある程度まで体力が回復したらまた走らせる。
休憩にまた魔力を感知してもらう。
大半の者が反応を見せないが、魔力を感知できた者がいて、アサイ アツシやキシ アイコ、ミヨ達には魔力を動かすことをさせた。
それを午前中繰り返す。
文句を言いながらも全員がやり続けていたのには、少し驚いていた。
正直誰か一人でもやめるかと思っていた。
俺達は魔王と戦わなければ帰れないし殺される可能性があったから必死に訓練をしていた。
だから、今と同じ状況で何もしなくていいと伝えられていたら俺はたぶんやめていた。
この子らの心意気に俺は応えようじゃないかと思った。
午後一も走らせ、休憩中に魔力の感知、操作をしてもらった後、対人稽古をつける。
一人一人どういうタイプか見極める。
パワータイプ、スピード、ディフェンス、カウンター、バランス、接近戦は不得意な者と何度か稽古をつけて見極める。
最低限自分を守れるようになるまで稽古は続けた。
全員が体力の限界で思うように動けないようだったが、頑張ってもらった。
風呂の治癒効果向上と疲労回復のおかげで超回復し翌日筋肉痛を起こさず、頑張ってこなしていた。
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二週間が経過した頃には身体が慣れてきたのか訓練の後に料理を作れる余裕ができる者達がでてきた。
俺は子供ら先生にバレないよう魔法で負荷をかけた。
数名首を傾げたりキョロキョロしている子がいた。
感が鋭いやつは好きだ。
~~~
一ヶ月が経過した頃には全員が他のことをする余裕ができ、遊戯室や図書室などに通えるようになった。
それから一週間それぞれに合った武器の基本をきっちりと教え、防具の付け方外し方も教え、実践させる。
全員が魔力を感知できるようになって、魔法も身体強化や下級の魔法を教えていった。
~~~
朝食後の大広間にてケイマは今日の予定を話す。
「今日は魔物と戦ってもらう。」
「「「ついにか。」」」
「「「……」」」
「先に何度も言っているが別に戦えなくても、帰るまで保護をするから、やめてもいい。」
「カワカミに一生養ってもらうのもいい、ひぃっ!」
「ルカちゃん、それ、許されると、思う?」
ギャルリーダーバンバ ルカはシオリに肩に手を置かれ、冷たい声に恐怖で悲鳴をあげる。
「さ、最後までき、聞けよ!養ってもらうのもいいけど、自分で自分を守れるようになりたいからやってやんよって言おうとしたんだよっ!」
「そう、私、早とちりしちゃったみたいね。ごめん、ね。」
「お、おう。わ、わかってくれればいいんだ。(ヤンデレというやつ?シオリってこんなやつだったか?こわすぎじゃん。)」
「私も理不尽に抗えるように、この子達を守れるようになりたいからやるわ!」
「「「俺も(僕も)(私も)!」」」
先生に同意する他の子達。
ケイマは全員の顔を見て、頷く。
「わかった。じゃあ装備を整えたら玄関先に集合するように。」
「「「はい!」」」
「おっけー。」
「わかった。」
「りょーかい。」
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