第014話
実はこの屋敷の所々の部屋は空間魔法で部屋の広さが拡張されている。台所も風呂場に脱衣場も大広間も。
自室は拡張していない。八畳の広さがちょうどいいんだ。
台所は大きいホテルなどの厨房以上の広さとなっている。
設備だけで調理台三コンロで一セットが十セット以上、オーブンも多機能ありの業務用が五、家庭用が三台、業務用冷蔵庫と業務用冷凍庫三台、業務用食洗機二台、業務用シンク三つ、料理台十以上、食材収納箱、肉用収納箱、食器棚二つ、調味料大棚があり、全ての設備が魔道具である。
最初は全ての一台ずつだったのだが、ライアが増やしていって、いつからか今の数になっていた。
魔道具は魔法陣が刻まれた魔力で動く道具で、魔法陣は魔法言語や記号が刻まれた魔法の効果や発動条件などが魔力が送られると発動する。
例としてここにあるオーブンなら第一条件にオーブン内部に一センチ以上の生き物がいないかつドアが閉じている時に発動する。魔力が送られた時に設定した温度やモード、時間で発動。温度と時間は調節つまみで変更でき、モードは焼きかスチームのスイッチを押すことで変更できる。
時間短縮機能ON/OFFも付いてあり、5分焼きをONにして起動すると約五秒で焼き上がる。
この機能のおかげで昨日のビュッフェのような大量な料理を短い時間で用意することを可能にした。
まぁ、魔力消費が大きい為、滅多に使わない。
台所ではライアの指示に先生と数人の女子が朝食の準備をしていた。
「おはよう。朝食の準備ありがとう。」
「おはようございます。」
「「「おはよう。」」」
オーブンから天板を取り出し、サラダが盛り付けられた皿に焼かれた鮭に似た切り身を乗っけた皿を収納の魔法で仕舞う。
「「「おお!」」」
「凄いね!」
「手ぶらで出掛けられるね!」
「皆さん。口だけじゃなく手も動かしましょう。」
「「「はーい。」」」「すみません。」
ライアの指示であっという間に朝食が出来上がっていった。
~~~
六時五分前には全員が大広間に集まっていた。眠そうに目を擦っている子や船をこいでいる子もいるが。
「皆、おはよう。」
「「「おはよう。」」」
「「「おはようございます。」」」
「「おは、よう。」」
「……ょぅ」「ぉは……」
挨拶をすると皆はこちらを見て挨拶を返してくる。
「今日から鍛えようかと思っていたが、召喚された昨日の今日でやるのはあれかと思い直して、今日はこの屋敷と外の案内をして、その後は自由行動にしようと思っている。」
「「「えええ」」」「いいと思います。」「」「」
不満そうな声が男子多数と少し女子、賛成の声が先生女子プラスアイサカと少しの男子。
「屋敷の大きさに部屋の広さがあってない。不思議。どんな部屋があるか楽しみ。」
「「「確かに!合ってない!」」」
案内に傾く。
まぁ、意見なんか聞かない。俺、家主。家主の意見、絶対。
入っちゃいけない危険な部屋とかあるからな。
最初に明日は案内と自由行動で明後日から鍛えると言っとけば良かったんだが、熱意に感化されて明日(今日)から鍛えるみたいな感じに言ってしまったからな。
子らを落ち着かせ、朝食を出し配ってもらい、ザ和食(風。異世界産)朝食をいただく。
「「「白米美味ー(美味い)(美味しい)!」」」のにライアが嬉しそうに口角を上げた。
目が合うと澄まし顔に戻るが、上下する耳で嬉しい気持ちがいっぱいなのが見てわかる。
当たり前だが指摘しないぞ。可愛いからな。
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