第013話

「あぁ~。」

「「「あぁ~」」」


 俺は男子達を寝室と風呂場に案内したついでに、風呂に入る男子達と共に風呂場に入った。

 俺、アイサカとカネウチ達は大きな浴槽に浸かると自然と声を漏らした。


「なんかすげー疲れが取れた感じがするんだが。」

「あぁ~、わかる。」

「気持ち良い~。」

「ずっと浸かっていたい。」

「それな~。」


 カネウチの言うことは当たっている。


「カワカミ君、このお風呂凄いね。効能がある温泉に入っているみたいだよ。」

「治癒効果向上と疲労回復のポーション入りだからな。」

「「「あ~それのおかげか~。」」」

「疲れが取れるわけだ~。」

「火傷の痕が治るわけだ~。」

「割れたコップでできた腕の古傷がなくなるわけだ~。」

「「「さすが異世界だな~。」」」


 俺は時々浴槽で眠りそうな男子に水の玉を放ち起こしながら、ゆっくりと浴槽に浸かっていた。


「俺は上がるぞ。異世界に来て溺死とかするなよ。」

「「「あ~気をつける~。」」」

「見張っとくよ。」

「アイサカ、任せた。」


 俺は脱衣所に用意してある甚平に着替え、自室に向かった。

 自分の部屋を開けると四つの布団が用意されていたから一つ残し他を収納の魔法で仕舞った。


 ライアの仕業だなと思いながら自室全体に進入禁止の結界を張って、異世界にいた時にほぼ毎日やっていた各属性の魔力を周囲に浮かばせ、魔力操作で体内で各属性魔力を集め体外に出し、魔力制御で浮かぶ各属性魔力へ送り拡大したり圧縮したり魔力を抜いて体内に戻したりを繰り返し、ガチャガチャと鳴る音を気にせず、繰り返し続けた。



~~~ 



 明け方4時、目を覚まし自室を出てすぐに頬を膨らませたライアとシオリ、ばっさりと前髪を切ったミヨとばったりと出くわす。


「おはよう。」

「おはようございますっ!」

「おはようっ!」

「お、おはよう。」


 ぷりぷりしている二人に気がつかないフリをしてミヨに話しかける。


「ミヨ、前髪切ったんだな。」

「う、うん。どうかな?」

「似合ってるぞ。」

「そ、そう?ありがとう。」


 本当なら好意を抱かれないような言動をしなければならないが……女性や子供の泣き顔は苦手で、嫌で、できねぇ。


 笑顔や照れ顔はやっぱり良いものだなと頬を赤く染めて少し俯き、頬を掻くミヨを見て思った。可愛いと、も素直に思った。


 シオリとライアが膨れ顔からジト目に変化したことに気が付き、話しかける。 


「シオリもミヨも起きるの早いな。」

「ケイマ君がこのくらいに起きていたってライアさんから聞いて、起きたの。」

「シオリちゃんと同じ。」

「私が二人を起こしたんですけどね。」

「「ライアさんっ?!(ライアお姉ちゃんっ?!)」」

「言わない約束でしたよねっ!」

「あと十分~、もう少し~って寝言は聞いてません。」

「「絶対わざとですよねっ(でしょっ)!」」

「あんまり大きな声出すなー。皆起きてしまうぞ。」

「「う……」」

「ライアもからかうな。」

「はい、つい。ごめんなさいね。」

「「もぉ。」」



~~~



 運動しやすい服に着替えて屋敷の裏、右奥の方にある運動場へやってきた。

 ライア、ミヨ、シオリも「「「行く!(行きます。)」」」ということで共に来た。


 三度目の召喚される前まで日課だったジョギングやダッシュ、素振りなど。

 自分ではあまり自覚がなかったが、周りから見たら中学二年生のある日から突然始めたという。


 一度目(中学二年)に召喚された時、体力作りから始まり、素振り、組手、実戦、魔力操作や魔力制御を日々繰り返していた。

 魔王討伐の道中でも、何かしらできなくても何かしらやっていた。

 記憶を思い出した今ではそれが記憶を封印されても魂が覚えていたから、平和な日本で魔法関係と実戦以外を日課としていた。


 召喚された次の日の今日も異世界に来て記憶も思い出したから魔法関係も含め、続けていこうと運動場へやってきた。


 準備運動をし、素の身体能力で運動場をジョギング、身体が温まったところで柔軟しながら魔力操作。

 柔軟が終わったら、素のダッシュ、魔力強化してのダッシュ、反復横飛びをしてからのダッシュやでんぐり返しからのダッシュなど変則ダッシュをして、休憩中魔力操作と魔力制御をし、素振りなどをこなした。


 シオリとミヨは準備運動後は自身のペースで、ライアは体力疲れ知らずで、俺と同じペースで魔力操作と魔力制御をしながらジョギングなどをこなしていた。


 集合の六時三十分前になり、切り上げ、自分とシオリ達にクリーンの魔法をかけてから屋敷に戻り、シャワーを浴びて(日本にいた時の習慣で)、大広間へ行く前に台所へと足を運んだ。

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