第11話 夜会
「さて、せっかくですのでまだ何もありませんが情報交換しませんか?」
まぁ、最も情報なんてあってないようなものですが。とブロンドヘアーの美人さんは付け足した。
「でも、ホントになんにもないですよ?」
「あぁ、そんなに気を遣わなくても良いですよ。ただ、情報交換を建前にして少ないダンジョンマスターと楽しくお喋りしたいだけですから」
「それなら、私もよろしくお願いします」
「では、何から話そうかしら?」
「あのっ!!ガチャってどんな感じですか?」
「う~ん、何がどんな感じかは分からないけど一番最初に凄そうなピックアップが来たからそれで固定しちゃったけどそっちも?」
「ハイ!!そうでした」
ブロンドヘアの(ryさんが顎に人差し指を当てながら
「う~んそっちも同じだっかぁ……。ここにいるダンジョンマスターは八人で多分最初のメンバーだと思うから私達にのみ与えられた特権みたいなものかなぁ」
「あぁ~それなら納得ですね。ダンジョンを作るときに山の中を歩き回ったのですがそれらしいものは何もなかったですし」
「ならそれで正解かしら?ま、間違っていたとしても私達の運が良かったってだけの話ね」
そう話していると向こうから少しずんぐりむっくりした多分ドアーフ?の人がやってきた。
「なかなか面白そうな話をしておるの?ワシも混ぜておくれ」
「あら、カグさんじゃない。なんでここにいるのかしら?もしかしてあなたも?」
「そうじゃ。ダンジョンマスターだ。」
「あの、この人は誰なんですか?」
「あぁ、貴女は知らなかったわね。この人は私が作ったダンジョンのすぐ近くの街に鍛冶屋を営んでる凄腕の鍛冶職人よ。私のこの長剣を鍛えてくれたのもこの人よ」
そう言った後にまさかガチャ景品以上の品を渡されるとは思わなかってけどねと続けた。
「ぬ?そこの青髪のお主、なかなか良い素材を持っておるな?ワシに貸してみい。お主の望むモノに鍛えてやろう」
「えっとその……いいんですか?」
そう聞くと
「構わないわよ。カグさんは鍛冶バカだから新しい優れた素材に目がないのよ。作るものはどれも一級品だから安心して任せてみるといいわ」
「バカはいらないがこれでも優秀な鍛冶職人だと自負しておる。気があるならワシに任せてほしい」
少し迷うけどガチャ景品以上の品を作れるのなら渡してもいいかな。
「……分かりました!!凄い武器なして下さい!!」
「あら、武器でいいのかしら?」
「好戦的な嬢ちゃんじゃの。さっそく取り掛かるとするかの」
「えっ……あっ……その」
「諦めなさい。もう図面をひき始めているわ。こうなったら神様でも止められないと思うわ」
それから他のダンジョンマスターさん達とも話しているとカグさんがかなり大きな包みを持ってきた。
「終わったぞーい。ふぅここまで持ってくるのが大変じゃったわい。これだから限定装備は」
まぁ、自分の作った武具達が誰かの限定装備になるなんて鍛冶職人冥利に尽きるわいと続けた。
「開けてもいいですか?」
「おう、お主のために作ったものじゃ好きにするといい」
そう言われたので包みを剥がすと大きな水晶でできた5m位はありそうな十字架が出てきた。
「お主にあいそうなものを作っていたのじゃがいつの間にかこんなデカブツになっておったわい」
そう言ってタハハとカグさんは笑った。
「これの銘は
カグさんは水・氷属性のお主にぴったりじゃろ?と言った。
「これどう使うんですか?」
「魔力を通してみい。お主用に作ったものじゃからそれで扱える筈じゃ」
言われた通りに魔力を通してみるとデカ十字が空中に浮かんだ。
「これは想定外じゃの。これ程のデカブツじゃから普通の持ち方ではないと思っておったがまさかこう動くとは……」
空中に浮かんだデカ十字は私の意思によって動くようで右に行けと思ったら右に生き、左に行けと思ったら左に行った。
「カグさん、これスゴく便利ですね!!」
「喜んでくれたか。いつも渡すときは緊張するわい」
「あら、もうできたのかしら?にしてもスゴく大きな十字架ね。私には合わなさそうね」
「そりゃそうじゃ。ワシは基本一点モノしか作らんからの。お主に合っても困るわい」
「それもそうね。リティシアちゃん、盛り上がってるところ悪いけどもうお開きみたいよ」
「ふぇ?あっホントだ……」
足元には来たときのように魔法陣が展開されていた。
「あ、私そういえば名前言うの忘れていたわね。私の名前はセラフィア・エデンスよ。また、会うときまで忘れないでね?」
「ハイ!!分かりました!!その、いろいろ話しかけてくれてありがとう!!」
そう言ってセラフィアさんとカグさんに手を振って別れた。
また、会う約束をして。
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