第10話 夜会開始!!
ここ数ヶ月山の拡張と並行して完成したダンジョンの罠やモンスターを追加する作業を続けている。
そのため階層はとうとう百を超えた。
「マスター、少し休憩しませんか」
「う〜ん、そうだね。朝からずっとやってたからこのくらいで少し休もうかな」
ステータス画面を閉じ、大きな伸びをする。
月華を召喚して以来守護者は出していない。
理由は後々気付いたのだがあの時、とんでもない量の魔力を一瞬で消費していたようで、生命の危機一歩手前だったようで肝が冷えたからだ。
ヘルプ画面で少し調べたら、DPを消費するのは召喚する時やダンジョンを構築する時だけで名付けや合成は自前の魔力を使うそうだ。
後々種族格差が出来そうだな。
ゴブリンとかスライムがダンジョンマスターに選ばれたらある意味終わりだ。
そんなことを思いながらベットに横になろうとすると、小さな魔法陣が現れ、手紙が落ちてきた。
「何だろ?あれ?」
床に落ちた手紙を拾いに行こうとすると月華に止められた。
「お待ち下さい、マスター。罠かもしれません!!」
「……うん、月華、なんの罠かな?まだダンジョンって世界に公表されてないからありえないと思うんだけど?」
そう言うと月華はそれに気付いたようで、顔を赤くした。
「そっそうでした……。早とちり、してしまいました……」
落ち込んでしまったようで顔を合わせようとしない。
私が男だったら堕ちていただろうな。
もしかしたら女性でも危ういかもしれない。
そんなことを考えながら拾った手紙の封をきる。
「え〜と……『長い冬が終わり、新緑の芽が出始め、清々しい今日この頃、貴方のことが私の頭から片時も離れず……』なんだコレ?新手のナンパか?私を落としてもなんにもなんないよ?」
「マスター、二枚目がありますよ」
「あ、ホントだ。『つきましてはこの度のダンジョン実装にあたって各々の準備が整ったようなので今から呼ばせていただきます。なおこの手紙は後5秒で消滅します』……なんで最後だけミッション・イ○ポッシブル風なんだ?」
せっかくなので5秒数えると上の方からサラサラと魔力と思しき粒子が溢れ、消えてなくなった。
「本当に消えましたね……」
「ソウダネ、本家よりもかなり穏やかだったけど」
【ピンポンパンポ〜ン。全てのダンジョンマスターが手紙を読み終わりましたので〈夜会〉へ招待します。拒否権はありません】
「へぁ?」
足元から私一人分位の魔法陣が現れ、光ったと思った瞬間私は満天の星空の元へ転移した。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「それでさ〜私の守護者が罠って言ったんだよ。まだ実装されてないから罠なんかあるわけないし、そうだとしても私たちの感知を抜けられるわけないし」
「フフッ。貴方の守護者に会ってみたいですわ。その方はとてもイジりがいがありそうです」
私は今ダンジョンマスター仲間と楽しく談笑している。
〜少し前〜
「なんじゃここ……夜会って言っておきながら何もないじゃん」
景色が割といいのが少々ムカつくが気にしないでおく。
少しポケ〜としていると凄く綺麗なブロンドヘアーをした女性に話しかけられた。
「始めまして。貴方のお名前は?」
「ふぇっ!!えっえっとリティシアですっ!!」
「慌てなくていいのよ?ほら、落ち着いて」
「すぅ、ふぅ。ありがとうございます。すみません、まさか話しかけられると思っていなかったので少し慌ててしまいました」
「あら、別にいいのよ私たちはこれから一緒にダンジョンを運営していく仲間じゃない」
「えっダ、ダンジョンマスターだったんですか!?」
「何を言ってるのよ……ここにはダンジョンマスターしか呼ばれていないに決まってるでしょ?」
あっそれもそうか。何やってんだ私。らしくないな。
――――――――――――――――――――――――――――――――
あゝ本当はこの回で新章に移りたかったのに……
誰だ1000文字以上2500文字以下って決めたやつ
……自分か……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます