第8話 初合成

 雪山の頂上に二人の人影がある。


 それは私と召喚したメイドさんだ。


 「えっと貴方は私のダンジョンの守護者でいいんだよね?」


 メイドさんは頷く


 「えぇ、その認識で構いません。私としては攻略者と戦うよりもマスターのお世話をしたいのですが……」


 「まぁ、今は私と貴方しか居ないもんね……」


 「戦いにはあまり自信がないのですが召喚、それも守護者として来てしまったので仕方がありません。私の全身全霊を尽くしてマスターをお守りします」


 少し可哀そう……。私が召喚しちゃったんだけどどうにか出来ないかな……。


 「それでしたら私めに名前と合成の許可をくださればもしかしたらどうにかなるかもしれません。名前をつければ多少コストはかかりますが復活することが出来ますし、合成を行えばある程度の強化が行なえます」


 「名前をつければいいんだね!!」


 するとメイドさんは驚いたように


 「わっ私に本当に名前をつけるのですか!?私はたかだかランクAのモンスター、それも戦闘向きじゃないんですよ!?」


 「それでもだよっ!!私は貴方を失いたくない!!」


 「マスターッッッッ!!」


 メイドさんが声にならない悲鳴を上げる。


 「……よし、貴方の名前は、【月華】」


 名前をつけた途端私の中からすごい量の魔力が抜けていき光がメイドさんを包み込んだ。


 少しすると姿が少しだけ変わったメイドさん、いや、【月華】が現れた。


 「私の、私の名前は【月華】……。素敵な名前をありがとうございますっ!!マスター!!」


 「次は、合成……!!」


 少し怠いが構わず続ける。


 「マ、マスター、少し休まれたほうが……」


 月華がなにか言ってくるが無視する。


 先程ガチャから出たモンスターカードを除いた全てのカードを取り出し、月華に渡す。


 「今から合成するけど良い?……」


 「えっとその、ありがたいのですが少し休まれたほうが……」


 最後まで聞かずにステータス画面の合成をタップする。


 再び月華が光に包まれる。


 そして、大量の魔力を消費したのか私の意識はここで途絶えた。






 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆






 目を覚ますと後頭部に柔らかい感触が伝わってくる。


 「あっ、マスター!!良かった、目を覚ましてくれた……!!」


 「こ、こは?」


 「マスターが倒れたので一時的に私に操作権限が移ってきて、少しだけDPを使い、部屋を作りました。勝手にDPを使ってしまい、申し訳ありません……」


 「いや、構わない、よ。私のためだったんでしょ。なら、私が何か言うことはないよ。ありがとう、月華……」


 月華に少し休むと言ってまた目を閉じた。






 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆






 どれくらいの時間が経ったのだろうか。


 目を覚ますと私は天蓋付きのベットで横になっていた。


 「……ここは、そうだ、私は月華に休むと言って寝てたんだ」


 ベットから起き上がり横を見ると月華が寝ていた。


 きっと私を看ていて疲れて寝てしまったのだろう。


 悪いことをしてしまった……。


 が、しかし、女の私が言うのもあれだが月華は中々に可愛らしい寝顔を晒している。


 せっかくなのでよく、観察することにした。


 綺麗な藍色の前髪が閉じられた目にかかり、整った顔をしているからかその程度のことがあどけない。


 まるでひとつの完成された彫刻のようだ。


 じっくり見ていると視線に気づいたのか月華が目を覚ました。


 「う、んぁ……おふぁようごじゃいます、ましゅたー……」


 寝ぼけてるのか呂律が回っていない。


 「おはよっ月華!!」


 「ふぇ…」


 「ねぇ、ステータス見ていい?」


 「ふぃいですよ。マスターなんですから……」


 許可が取れたので見てみることにする。


――――――――――――――――――――――――――――――――

・名前・月華

・Lv・950/1000

・種族・星天月華之スタームーン侍従長メイドマスター・ランクEX

〈基礎能力値〉

・HP・750000000/750000000

・MP・200000000/200000000

・物攻・10000000 ・物防・75000000

・魔攻・35000000 ・魔防・500000000

・敏捷・100000000 ・器用・450000000

・運勢・700

〈スキル〉

・星天魔法・生活魔法・

・万能感知・万能制御・

・思考加速(神速)・並列思考・魔神・

・短剣帝・魔力増幅・生命増幅・

・物理能力増幅・魔法能力増幅・

・魔力自動回復・生命自動回復・

最恐冥土プリティ・メイドの心得

・塵は塵として

〈称号〉

・ダンジョン守護者・限界を超えし者・

・メイドマスター・

―――――――――――――――――――――――――――――――――


 ……凄くね、私霞むじゃん。せっかくチートだと思ってたのに。


 月華を見るとまた気持ちよさそうに眠っていた。


 私も二度寝しよっと。





 ――――――――――――――――――――――――――――――――

私に月華のファンアートをくれ〜!!(切実


冗談はさておき、月華の読み方を先に行っておきます。


読み方は、【つきか】です。そのまんまですね。


ネーミングセンスがないンゴ


5/29 月華のステータスについて変更しました。四元素魔法はやりすぎた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る