第4話 復活の日

 『環境の適応が終了しました。肉体の再構築を開始……完了しました』


 温かい何かに包まれ、揺りかごの中にいるかのような安心感を覚える。


 『魂魄の活性化を開始。意識の凍結を段階的に解除』


 それはまるで長い夢から覚めるようで。


 『魂魄の肉体定着を開始。各種スキルの再構築。肉体の適正値へレベルを上昇』


 長年開かれることのなかったまぶたがゆっくりと開く。


 『全行程が終了しました。意識の安定を確認。肉体の制御権を返還……完了しました』


 「……あ、れ?……ここ、はさっき……いた場、所?……なん、で?……」


 「……どうやら目覚めたようじゃの」


 眼の前には何故かさっき見たはずの爺さんが立っていた。


 一瞬でまた死んでしまったのだろうか?


 「まずお主には謝らねばなるまい……すまない、それが必要なことではあったが何の確認もせずに封印などということをしてしまって……」


 段々と思い出してきた。


 そうだ、私は突然封印されたんだ……


 「……なんでそんなことを?……」


 「お主はダンジョンコアを起動するために魔力を注いだじゃろ?その時に制御できずに暴走してしまったのじゃ」


 「でもたかだか一人の人間の力でそんなことになるもんなんですか?」


 「ダンジョンコアを起動するには結構な魔力が必要になる。この世界のただの一般人が保有することのできないような量を。しかし、それは問題ないのじゃ。問題だったのは起動した場所とお主の持っていた元々の魔力の性質じゃった」


 「場所と性質?」


 首を傾げる。


 「そうじゃ。まず起動した場所じゃが、そこが偶然にも世界の大動脈とも言える地脈の下だったのじゃ。ダンジョンコアには周辺の魔力を吸収する機能がある。そのせいで抑えきれずに暴走した。次にお主の魔力の性質じゃ。お主の魔力の性質は氷、氷結だったのじゃ。それで暴走した魔力が氷の性質に変化してしまったのじゃ……」


 「……なんかすごい不味いことにしちゃいましたか……?」


 「不味いことと言えば不味いことじゃが時間をかければなんとかなることだったからの。そこは大事にはならなかった。問題として上がったのはお主の扱いについてじゃ……」


 「扱い?」


 「お主の魔力は良くも悪くも凄まじかった。そのせいでお主のことを危険視し、魂ごと抹消する流れが出来てしまったのじゃ」


 地球でも昔はよくあったことっぽいし話の流れ的にはそうなってもおかしくはないと思ったけども……自分がその中心になるとは……。


 「じゃが安心するといい。もうすでに問題はほぼほぼ解決したのでの?」


 あっもう解決したんすか……


 「お主を抹消しようとしていたのは【火山の神】、【大気の女神】、【大地の女神】じゃ。対してお主を生かそうとしていたのは儂と【精霊の神】、【海原の女神】じゃ。」


 色々と強そうな名前が出てきたがスルーしておく。


 「儂等が掲げだのはお主を封印している間に肉体と精神を強化し、お主のような潜在的な強者が暴走しても問題のないくらいに強くなり、安寧を保つことじゃった。それに対し、お主を抹消しようとしていた三柱は誕生する前に存在を抹消し、自分の地位を守ることじゃった。おかげで儂等三柱はお主を抹消しようとした三柱よりも遥かに強くなれた。それで三柱の意見を封殺できた。まぁ元々奴ら三柱は気に入らなかったのでの?ある意味ちょうどよかったわい」


 中々に生々しいな神々よ……


 「おっと、紹介するのが忘れておったの。お主ら来るが良い」


 そう爺さんが言うと空間が割れ、二人の美男子と美女が現れた。


 そして爆弾を私に投下した。


 「「始めまして、私達の愛娘よ……!!」」


 ハイ?ドユコトですか?




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