第12話 『神代魔術』

「剣は後にして、まずは本か」


 俺は落ちている真っ黒な本を取る。表紙に何か書いているみたいだが、何を書いているのか分からない。


「これもスキル本と同じ要領でいい感じか?」


(はい、それで大丈夫です)


「分かった」


 俺は本を開く。すると、俺の頭の中に膨大な知識が入ってくる。


 くっ!!あ、頭が、い、痛い


 そして数秒、ようやく頭痛が治まる。そして、俺が手に入れた魔術の名前を言う。


「『神代魔術』」


(待ってください!!!マスター!!!それは本当ですか!!!!)


「ふぁ!!!きゅ、急にどうしたアスナ。そんなに大声を出して」


(急ではありません!!マスター本当に神代魔術を習得したのですか!!)


「あ、あぁ。多分ステータスにあると思うから確認してくれ」


(・・・・・・本当です!!本当に神代魔術を習得しています!!マスターの血筋は神なのですか!!??)


「はぁ!!??な訳ないだろう!!??ごく普通の一般家庭だわ!!」


(それじゃなぜ、マスターは神代魔術を習得しているんですか!!)


「待て待て待て、アスナ、一旦落ち着け、まずは冷静になろうな」


(これで落ち着いける訳ありません!!ま、まさか!?私の■■■■■■■■■■がマスターと■■■■■って言う事ですか!!いえ!!そんなことあり得ません!!)


「うぐっ!!」


 アスナが途中で言っていることにノイズ音が入り、何を言っているのか分からなかったが、何故か頭が痛くなった。


(は!!も、申し訳ありません。少し血迷っていました。お許し下さい)


「あぁ、ようやく落ち着いたか。で、なんで俺の血筋が神と思ったんだ?」


(はい、まず神代魔術とは、まだ人の時代が始まっていない。神代の時代に生まれた魔法です。この魔術は、神か、神の血を引く者しか得ることが出来ません。禁忌中の禁忌魔法です)


「そして、何も変哲もないただの俺が『神代魔術』を習得しているのはおかしい。だから、アスナは慌てていたのか」


(その通りです。しかし、なぜマスターに『神代魔術』が習得出来たのか私には分かりません)


「アスナが分からないなら俺も分からないや。ともかく、俺が神代魔術が使えるのかは置いといて、ちょっと使ってみようぜ」


(マスター。それは無理です。)


「?・・・どうしてなんだ?」


(圧倒的に魔力の量が足りません。神代魔術ですよ。普通の魔術とは訳が違います。)


「え?じゃ、じゃあ、こいつも俺の魔力が育つまでお預けってこと?」


(その通りです。マスター、魔力上げ、頑張ってください)


「そんな~」


 どうやら、俺の魔術の道は険しいようだ。



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