第四話 大器晩成型

 デイリーミッションを達成した俺は、自身のステータスと向き合っていた。


「やっぱり、無難に敏捷がいいよな」


(はい、マスターはまだ魔術を習得していなのでその方がいいかと)


 アスナも同じ判断のようだ。なので、デイリーミッションで手に入れたステータス+3を敏捷に振る。試しに立ってその場で走ってみるが、特に早くなった感じはない。


「+3しただけじゃまだ分からないか」


 ベットにまた座り、次はスキル本に目を向ける。


「これって開けばスキルが手に入るのか?」


(はい、その通りです。運が良ければ強力なスキルが手に入ります)


「へ~、じゃあ早速」


 俺はスキル本を開いてみる。文字はなんて書いてあるかさっぱりだが、すっと俺の頭の中に言葉が流れてくる。


「・・・・・・『絶隠』」


(・・・マスター、もう一度手に入れたスキルを言ってください)


「絶隠っていうスキル。何のスキルなんだ?」


(はぁ~、まさかランダムなのにそれを引いてしまうなんて)


「え?そんなにヤバいものなのか?」


(はい、マスターが手に入れたスキル『絶隠』は、マスターの気配、匂い、音、殺気、魔力、全てを遮断させるスキルです。これを使っていれば見つかる事は絶対にありません)


「・・・それってヤバくない?」


(はい、ヤバいです)


 まさか、そんなスキルが手に入るとは、俺のステータスの運って28しかないのによく当たったな。


「試しに使ってみるか・・・『絶隠』」


・・・使ってみるが発動する気配がなかった。・・・なんでだ?


(マスターの魔力が足りません。このスキルを発動させるには100は必要です)


「ひゃ、100!!??」


 俺の今の魔力って2しかないよね。じゃああと98必要じゃん!どんだけ時間がかかるんだよ。


(安心してください。今は使えませんが直に使えます。なので、早速魔力を上げるスキルを教えます)


「おぉ~!!そんなスキルがあるのか!」


(はい、スキル一覧から『魔力変換』を探してください)


「分かった」


 俺はSPからスキル一覧を開き、魔力変換を探す。


「あった!え~と、体外にある魔力を吸い取り自身の魔力に変換する。体外って空気にも魔力があるのか」


(はい、正確には龍脈から漏れた魔力を自身の者にするスキルです。魔術師が時々儀式を使う際にやっております)


「へ~、そんなスキルがSP5で取れるってすごいな」


 俺は早速習得する。そしてステータス欄をを開いた。


ステータス―――――――――――――


日野森 雄二ひのもり ゆうじ

レベル 1

生命力 15/15

魔 力 2/2

攻撃力 11

防御力 8

魔 攻 4

精神力 3

敏 捷 10

幸 運 28


・固有スキル

アナウンスLv1 コピーLv1


・スキル

絶隠Lv- 魔力変換Lv1 鑑定Lv1 探知Lv1 剣術Lv1


・魔術


・装備

ただの私服〈一式〉


・SP 0


・現在のミッション表示


――――――――――――――――――


「すぐには変わらないよな」


(はい、Lv1なので6時間に一回に上がればいい方です。気長に待ちましょう)


「そうだな。それと、ずっと気になっていたんだが、俺の固有スキルにあるこの『コピー』ってなんだ?複製する感じか?」


(マスターのいう通りです。コピーのスキルはこの世全ての物を複製するスキルです。しかし、まだLv1でマスターの魔力そこまで無いので使う事が出来ません)


「俺って、使えないスキルが多いよな」


(マスターは大器晩成型という奴です。地道にミッションをクリアして頑張って行きましょう)


「まぁ、そうだな」


 そうして、近くにあった漫画を手に取り読み始めるのだった。

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