第16話 お留守番♪
私、ユーリシア=シェール。11歳よ!聖女のママと、公爵をやってるパパの長女!
パパと同じく水魔法が得意!あと、なんと雷さんも使えたりします、ふふふ。将来は、グリーク王国の騎士団長になるのが夢なの!!
「ユーリは寂しくないか?ごめんな、今日は神殿に連れていけなくて」
「え?!全然!ママたちの祝福を見るのは綺麗で好きだけど、何度も見れてるし。しかも今日は特別なんでしょ?仕方ないもの」
「分かってくれてるんだな、ありがとう、ユーリ」
パパが私の頬にキスをしてくれる。
そう、今日は二人でお留守番なのだ。ママと弟のアーサーは、特別なご加護式の為に二人で神殿に行っている。決まった人しか入れないお部屋があるんだって。アーサーは光魔法がすごく強いし、女神様絡みでいろいろあるのだろう。でも私は私でチカラがあるし、やりたいことがあるので全く気にならない。
むしろ、パパと二人でお留守番も嬉しい。
「パパと二人でお留守番も珍しいもの!これだって特別よ!」
パパが嬉しそうな笑顔をして、抱きしめられる。パパとママのぎゅっ、は特別。うふふ、ってなっちゃう。
「ねぇ、パパ。そしたら私、剣術の練習をしたい!アンドレイお兄さまとか呼べないかな?」
「ユーリは本当に剣術好きだな。そんなに騎士になりたいの?」
パパが困ったような笑顔で話す。
「……ダメ?」
「ダメじゃないけど……パパはユーリが怪我なんかしたら心配だからね。それだけ」
「大丈夫よ!怪我をしないための練習だもの。私は剣と魔法が得意だから、アーサーとは違う方法で領地や国の役に立ちたいの」
「……そうか。二人とも本当に自慢の子どもたちだよ」
パパが目を細めて優しく微笑んで、頭をポンポンされる。くすぐったくて、嬉しい。
「パパもママもユーリがしたいことを応援するよ。でも、他にやりたいことができたら、それはそれでいいからね?」
「うん!ありがとう、パパ」
実は、この問答は何度かしている。本当に心配してくれているんだろうなあと思う。けれど、やらされている訳でも、肩にチカラが入りすぎた使命感でもなく、私がやりたいのだ。自分が好きで得意なことで、皆を守れるなんて最高だ。
なんだかんだ、道を自分で選ばせてくれる、パパママにも感謝!
「ちゃんとお婿さんも来てもらえるように頑張るし!」
「それは別に頑張らなくてもいいぞ?」
食い気味に言葉を重ねてくるパパに笑ってしまう。
パパは私をお嫁に出したくないんだって。親バカだよね。
でも、まだ私も嬉しいかなっ。
パパの氷の笑顔を溶かしてくれる男の子が見つかるまで、パパが私の一番だよ。
……見つかる、よね?
─────────────────────
あやかし様も、お願いします!
腹黒王子の初恋 渡 幸美 @wata-yuki
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