第5話 証人

 邪竜リヴァイアサンの棲んでいた洞窟に行くと、大量の金銀財宝があった。


 文字通り、山のようにある。

 エルヴィンは【土魔法】で、大量のゴーレムを作りだした。

 ゴーレムに運搬を命じる。

 数千の人間型のゴーレムが、金銀財宝と邪竜リヴァイアサンの死骸を運んだ。


 黒髪紫瞳の少年王は、金銀財宝と邪竜リヴァイアサンの死体を持ち帰って山の麓に降りた。


 近衛騎士団団長グレーテル、

 親衛隊長官ルイズ

 宮廷警護隊総帥ソフィア、

そして、近衛騎士団3000名が、驚愕して目を見開いた。


「邪竜リヴァイアサンを……」

「なんという強さ」

「……よ、良かった……陛下が無事……で」


 グレーテル、ルイズ、ソフィアが言う。


「これでエルドラドは我がヴァリス王国の国土となった。言祝げ! 卿らは歴史の証人となったぞ!」


 エルヴィンが、白馬の上から叫ぶ。

 グレーテル、ルイズ、ソフィア、そして、近衛騎士団3000名が一斉に抜刀して、天高く剣を掲げた。


「「国王陛下万歳!」」


 全員が、唱和した。

 歓声が山に木霊した。

 

 





 

 


翌日、夜。

 ヴァリス王国軍の野営地。

 野営地はお祭り騒ぎだった。

 エルヴィンが邪竜リヴァイアサンをあっと言う間に退治し、莫大な金銀財宝を手に入れたのだ。

 近衛騎士団たちが、浮かれるのも無理はなかった。

 エルヴィンも宴を許可し、騎士達に酒が振る舞われた。

 領国内で安全だから、あまり警戒する必要もない。

 美酒と肉を堪能し、近衛騎士達は音楽を奏でて陽気に踊った。 

 エルヴィンは野営地の中央部にある豪邸にいた。

 野営地に似つかわしくない豪華さだった。

 この豪邸はエルヴィンが、魔法で作り上げた。

 エルヴィンは、全属性の魔法を使えるので、どのような建築物でも瞬く間に造り上げる事ができるのだ。

エルヴィンは執務室で、書類仕事をしていた。

 国王として国家を運営する以上、書類仕事は避けて通れない。

 地味な書類仕事が、仕事の大半を占める。

(国王の生活などたいして優雅ではないな)

 エルヴィンは自嘲して、黙々と書類仕事に勤しんだ。

 ふいにドアがノックされた。

 エルヴィンが入るように言うと、親衛隊隊長ルイズが入ってきた。

「ルイズ、どうした? その姿は?」

 エルヴィンが、少し驚いて問う。

 ルイズは、扇情的な下着姿をしていた。

 ベビードールのランジェリーを付けていたのだ。

 ルイズの成熟した肉体が、ベビードールから透けて見える。

 大きく形の良い乳房、セクシーなヘソ。黒い下着は細く娼婦がつけるような下着だった。 

 25歳の外見をしたエルフの美女は、官能的な肉体を揺らしながら、エルヴィンに歩み寄った。

「夜も更けましたし、側室としての義務を果たしに参りました」

 ルイズはエルヴィンの前に跪いて、上目遣いでエルヴィンを見上げた。「確かにお前は側室だが、俺は結婚したばかりだしな。フローラ王妃が、なんとういうか」

 エルヴィンが、わずかに躊躇う。

「ご心配なく、王妃様には既に許可を頂いておりますわ」

 ルイズが、大きな胸の間から、手紙を取り出した。

 エルヴィンが受け取って手紙を読む。

 フローラ王妃の直筆の手紙で、遠征の途上で側室たちと子作りに励んで欲しい旨が示されていた。

(よく出来た妻だ)

 エルヴィンは感心した。

 ヴァリス王国は現在、王族が少ない。

 病気で早逝した王族が多く、直系の男子が、エルヴィンしかいないのだ。

 王統を絶やさぬ事は王族の義務でもある。

 エルヴィンは、それを理解している明敏な妻に満足した。

「そういえば、お前を抱くのは久し振りだな」

 エルヴィンが、ルイズの長い銀髪を撫でた。

「ええ、とても楽しみでございます、陛下」

 ルイズが、エルヴィンの手の甲にキスをした。

 そして、ペロリと舌を出してエルヴィンの手の甲を舐める。

 やがて、ルイズは膝を床についたまま、エルヴィンの股間に顔を近づけ、エルヴィンの股間にズボンの上からキスをする。

「どこで致しますか、陛下?」

 ルイズが、端麗な顔に微笑を浮かべる。

「ここでする」

「ご命令のままに……、私の陛下」

 ルイズはベビードールを脱ぎ、そして、黒いパンティーを脱いだ。

 美しい裸体が、エルヴィンの前に余すことなく晒された。

 豊かな乳房、細い腰、美しい太もも。

 一糸まとわぬエルフの美女の裸体が、灯に反射して輝く。

 シミもホクロもまったくない雪のような美しい肌だった。

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