第11話

仕事は相変わらずブラックだし家事が別に減るわけではないけれど、私はKakuyomuに投稿を始めた。

もちろん夫には気づかれない様に細心の注意をはらってだ。


物語りを書く前に先ずはどんな物語りが人気が有るのか少しリサーチしようと思い、☆の多そうな人の話しを読み始めた。


でもダメだった。

トレンドが今の私とはかけ離れすぎている。

話しの内容が全く頭に入ってこない。

やっぱり私に書けるとしたらトレンディドラマみたいなモノぐらいだ。

少しがっかりした。


そんな時、TVのCMである曲が流れる。

その曲は私の背中を❝ほらっ!❞って押してくれた。

そして『私の色を出せばいいんだ! 』って励ましてくれた。


そんな曲を励みにして私は自分の物語りを書き始めた。

1ページで1000文字程度を目安にしよう。

最初の1ページ目を書いて投稿した時はなんだか嬉しくて震えてしまった。


なんだか良く分からないけど、暫くしたらハートマークが一つ付いた。

誰が付けてくれたんだろうと見てみたら、さんという人だった。

コメント欄に書き込みもあった。

『面白いです。共感しました。』

初めて感想もらえて凄く嬉しかった。


直ぐに『ありがとうございます。これからも頑張ります。』って返信した。


アオヤさんは私が書き進める度に読んで評価を付けてくれる。

私はアオヤさんの励ましもあって小説を完結させる事ができた。

アオヤさんってどんな人でどんな小説を書いてるんだろう?

ちょっと気になって小説を読んで見る事にした。


『七夕はオーストラリアで』って題名が目にとまる。

私も新婚旅行をオーストラリアに行ったので興味が湧いて読んでみた。


暫く読み進めると私はかなりビックリした。

・・・何これ?

私と正人さんしか知らないエピソードがそのまま書いてある。


やられた!

正人さんは掲示版で私の事を書いてるだけでなく、こんなところにまで私の事を書いていた。


ん?

私の小説にチェックを入れていたって事は正人さんもコレを読んでいたって事だよね?


まさかコレでおあいこにするつもりかしら?

正人さん、帰ったらおぼえておきなさい!

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