第7話

女は大変だ。

痛い苦しい思いしてやっと赤ちゃんを産んだと思ったら、今度はその赤ちゃんの育児が始まる。

娘が生まれて3ヶ月位は毎日ちゃんと育っているのか恐くて仕方なかった。

でもそれ以降は娘の成長を肌で感じ、うれしくなった。


私は正社員の地位を手放したく無かったので一年で職場復帰出来る様に保育園を探した。

そしてその為にも正人さんには頑張ってもらわなければ・・・


母乳だけだと保育園に預ける時、哺乳ビンで飲んでくれないらしいので、少しずつ母乳からミルクに代えていく。


正人さんにはミルクの作り方から授乳、哺乳ビンの洗い方、ゲップの出させ方、それからオムツの代え方、服の着せ方などを一通り教えた。


私が仕事に復帰する為にも最大限協力はしてもらわないと・・・


でもこの男、何をするにも不器用で雑で本当に使えない残念な男だ。

本人は一生懸命やってるのは分かるんだけど・・・

毎回何か抜けてる気がする。

そんな正人さんを見る度に私は一言小言を言ってしまう。

『ささやき女将の気持ちが分かる』

なんて言ってた人が居たがまさにそのとおりだ。


そして正人さんの呼び方も昔はだっりだったりしていたのがパパに変わった。


やがて保育園へ娘を預け、私も職場復帰した。

正人さんの方が職場と保育園が近かったのでお迎えは正人さんが殆どで、そこで娘が初めて言葉を発したのがパパだった。 

私は毎日こんなに頑張っているのにすっごく残念な気分にさせられた。


家では主に私が食事を作り、正人さんが娘をお風呂に入れたり、食事をあげたりしていた。

いつの間にか娘と接する時間は正人さんの方が多くなっていたのか?


そして娘が一歳の誕生日を過ぎた辺りから正人さんの私へのボディータッチが増えていった。

そんなある日、娘がいつもより早く寝て正人さんと二人っきりの暇な時間が出来て・・・

私は襲われてしまった。

『・・・仕方ないな、まぁいいか? 』

なんて軽い気持ちだったらアッサリ二人目のご懐妊となる。

一人目あんなに時間かかったのに・・・

それがまるで嘘の様だった。


そして私は正人さんにある宣言をした。

『子供二人目出来たし、もう身体の関係は無しね! どうしてもしたくなったら 』

私は本心をそのまま口にした。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る