第6話
『
子供は家族の中心で家族をつなぎ留める役割を果たす。
子供が居る事で夫婦の絆は強くなる。
でも私達は・・・
正人さんと結婚して一緒に生活する様に成ってもうじき3年になる。
そんなに成るのに私達にはまだ子供が出来ない。
もちろんセックスは定期的にしている。
今までは週一回くらいだったが足りないのだろうか?
時間ばかりが経過して不安になってきた。
私の理想の家庭を造る為にも子供は欲しい。
こうして居る間にも、私は年を取ってますます子宝に恵まれ無く成っていく。
なんとなく焦ってしまった私は正人さんにも相談して産婦人科で検査して貰う事にした。
でも正人さんは会社人間だ。
付き添えもしてもらえず、産婦人科へは私一人で向かった。
その産婦人科は不妊治療もやっている為、私以外にも検査や治療に来ている人は居るみたいだ。
初めて産婦人科の検査台に乗る。
下半身まる出しなんて恥ずかしくて・・・
ただただ早く終わらる事を願っていた。
先生の話しだと「卵子は出ている様だから後は排卵日に合わせてセックスしてください。」って事だった。
「旦那さんの方に問題がある事も考えられるので次の検査日の朝、コレに精子を入れて持ってきてください。」
そう言われ蓋付きの試験管みたいなモノを渡された。
もし正人さんに問題があったら・・・
正人さんには何て話そう?
その日、家に着いて正人さんには先生から言われた事をそのまま伝えた。
正人さんは少しビックリした様子だった。
「こんなモノどうやって採取するんだ? AVでも見ながら? もし、上手く採取出来なかったら手伝ってくれるよね? 」
私も少し恥ずかしかったけど、そんな素振りしたら話しが進まないので・・・
「そうね? 手伝ってはあげるわよ。」
なんて平静を装って言った。
私の検査日の朝、正人さんはなんとか一人で採取してくれた。
私が産婦人科へ持って行って検査してもらつたら、『精子の数と動きは若干悪いけど妊娠はするだろう。』と言われてホッとした。
その後、私が記録を付けて排卵日を見当つける。
正人さんにはその日まで我慢してもらい、一人ではシナイ様にキツく言っておいた。
正人さんには『機械的な儀式みたいで嫌だ。』って言われたけど、私にとってはこれがセックスの本来の姿である様に映った。
そんな私の努力の甲斐あって、なんとか女の子を授かった。
女って大変なおもいばかりで本当に損だ。
妊娠中は不安だし、身体は普段と違って動かしにくいし、気持ち悪くもなる。
正人さんはこんな私の事なんて半分も分かってくれない。
この間なんか・・・
「もうお米が無くなるんだけど・・・」
って連絡したら
「それじゃ〜、買って置いて! 」
って言われた。
おいおい、妊婦にお米買わせるのかよ?
お店に居た人が心配してくれて
「運びましょうか? 」
って言ってくれた。
私だってこんな事をくどくど言いたくない。
でも正人さん、『アナタは女の事を分かっていない残念な夫だ。』
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