第43話
「..........幸せだけれど、ちょっと疲れた」
部屋を抜け、伸びをする。
あの後、お風呂でしてから「次は、お部屋でね?」と絵里ちゃんに囁かれてしまい、連れ去られてしまいどうしようもなくなる。
絵里ちゃんは発情しきった目で僕の事を見ていて、美穂さんは美穂さんで僕の事を誘惑してきて大変だった。
絵里ちゃんと美穂さんは満足しきったのか、幸せそうに寝てしまったが、僕はなんだか寝れず熱を冷ますためにいったん外に出た。
「涼しい」
きれいだな、ここ。
自然が沢山あって、心が穏やかな気持ちになる。
「だーれだ」
「..........美穂さんですよね?」
「正解」
後ろを振り向くと、ほほ笑んだ美穂さんがこちらを見ていた。
「なんでここに?」
「雪花君が、出ていくのが見えたからついてきちゃった。ダメだった?」
「いえ、全然」
「よかった。雪花君は何してたの?」
「ちょっと、激しくしすぎたので..........涼みに」
「うふふ、そうだもんね。あんなに激しくしたのは久しぶりだわ」
つやつやとした面持ちで、頬に手を当てている美穂さん。
絵里ちゃんも凄かったけれどどっちかというと..........美穂さんの大人の魅力というか、いつもしっかりしているけれどどこか抜けている美穂さんらしくない乱れかたをしていたので、かなり、興奮してしまった。
「ねぇ、雪花君」
「何ですか?」
「ありがとうね、私達と家族になってくれて」
「何ですか、いきなり」
「だって..........こういう時じゃないと言えないと思うから」
「そうですか」
何でもないような顔をして、でもちゃんと目を見てそういう美穂さん。
「絵里の事を、あの時助けてくれたのが、雪花君で良かったと付き合ってからより一層思ったの」
「えっと..........ありがとうございます。僕も、絵里ちゃん達を助けられて良かったなって思います」
「あの時、違う人が助けたら、こうはなっていないと思うの。絵里は人の悪意に敏感だから。もし助けた人が違う人で、絵里に対する目が少しでも邪なものだったらこうはなっていないの」
だから、一旦そこで区切り、僕の頭を胸に抱きよせて
「ありがとう、大好き。愛しているわ。これからも、ずっと一緒だから。いつまでも、ね」
僕はそっと、視線を美穂さんの顔に持って行った。
美穂さんの顔は慈愛に満ちてはいるが..........目がとてつもなく淀んで見えるは気のせいだろうか。
だけれども、それでいい。
僕はもう、この居心地のいい蜘蛛の巣からは逃げられないだろうか。
「はい、僕もずっと一緒にいたいです」
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もう少しでこの物語も終わります。
最近、どこまでがban対象なのかわからなくて、すれすれを行く遊びをしています。
これからも、よろしくお願いします。
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