第33話 二人の思い

 雪花お兄さんと初体験を済ませてしまった。


 まだ、私の中に雪花お兄さんがいるような感じがして、ちょっとだけ興奮する。


「雪花お兄さん」

 

 今日、何度目のため息だろう。


 雪花お兄さんは学校に行ってしまって、私は寂しく一人でお家にいる。


 雪花お兄さんはやっぱり、お仕事がしたいみたいだけれど私がそんなこと絶対にさせない。


 だって、そんなことしたら私との大切な時間が少なくなっちゃうもん。そんなの私が耐えられるわけない。耐えられなくて雪花お兄さんを閉じ込めちゃうかも。


 できれば雪花お兄さんには自由にしてほしいから出来るだけしないけれど。


「んぅ…雪花お兄さん」


私たちもう付き合ってるんだもんね。いつ結婚しよう。


 どこに家を建てようかな。出来れば田舎の方がいいな。私が人多いの嫌だし。 


 子供は私はいらないかな。だって子供産んだら雪花お兄さん、子供ばっかり構ってわたしには構ってくれなくなるかもしれないし。


 まぁでも雪花お兄さんに欲しいって言われたらうんって頷いちゃうかもしれないけれど。


「絵里、僕の子供産んで?」


 あっ…ダメ。そんなに真剣な目で見つめないで。


 ダメぇ。産む。産むから。私たちの可愛い子供。


「雪花お兄しゃんだいしゅき」


 むふふ。想像の中の雪花お兄さんも格好いい


 けど、現実の雪花お兄さんの方が何十倍もカッコいい!


 早く帰ってきてくれないかな。


 ——————————————————


 ついに絵里が雪花君と付き合い始めた。


 …母親であるし、絵里が雪花君のことが好きだと言うことは知っていたので喜ぶべきなんだろうけれど、正直羨ましい。


 だってしょうがないじゃない。…私だって雪花君のこと好きなんだもの。   


 来夏さんだって私の心を見抜いて、それでも私と絵里のことを応援してくれたんだもの。

 

 あっ…来夏さんに絵里と雪花君が付き合い始めたって報告しておこう。


 それは…今は置いておくとして。やはり羨ましいが…雪花君は私みたいなオバさん好みじゃないかも知れない。


 でも、雪花君は綺麗っていってくれたし。…お世辞かもしれないけれど…。 


 ダメダメ。よくないマイナスが先行しちゃってる。


 絵里とも相談して二人で雪花君を幸せにしようって決めたんだもの。


 娘より臆病になってどうするの!


 雪花君のことが好きなら好きだって伝えないと。


 絵里以外の子に取られることは無くなったけれど絵里距離がさらに近づいて私との距離が遠くなってしまうかもしれない。


 その前に私も雪花君に伝えなければ


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