4-2

文化祭当日に不安を残しながらも、着々と文化祭準備は進んでいく。


クラスの出し物の準備は、私は装飾係という無難な役職に就けた。


当日の仕事についても、裏方の方だったので心からホッとした。

接客しろとか言われたら、無理だ。


人見知りが爆発する。

多少の尻込みもあったものの、クラスの方では何とかやっていた。





しかし、である。


文化祭準備のせいで、昼休みに時間が取れなくなってしまった。

私は、教室の窓から外を見て、ため息をつく。




今日は、晴れの日だ。


本来だったら、詩編先輩や瑠夏先輩とともに昼食を食べているはずだ。


それが、なんでこんな、ちまちまと紙で花を作っているのか・・・。


テンション下がるなぁ。

でも、それもお互い様である。


詩編先輩や瑠夏先輩も準備に追われているらしく、文化祭が終わるまで昼休みに会えないと言われた。

まあ、あの人気者の二人をイベント時にクラスメイトが放っておくわけないよね。




寂しい。

一人は、寂しいな。


こんなの初めて。

一人が寂しいなんて思うの、初めてだ。


いつの間にか、二人の存在が私の中で大きくなってしまったみたいだ。


詩編先輩も、瑠夏先輩も、少しは寂しいって思ってくれるだろうか。

特に詩編先輩なんて飄々としていてよくわからないけど。



ほんの少しでいいから、私と同じように寂しいと思ってくれたら、どんなに嬉しいか。

きっと詩編先輩は知らない。



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