3-2


瑠夏先輩に彼女ができたらしい。


数日遅れてその噂は校内を駆け巡った。



先に言っておくが、私が誰かに話したわけではない。

話そうとしたって、話す友達がいない。


それより何故そんな噂が瞬く間に広がったかと言うと、今まで詩編先輩としかいなかった瑠夏先輩が学校内で女の子を連れて歩いていたからだ。


詩編先輩に紹介されるまで知らなかったことだが、瑠夏先輩も学校内で噂の人らしい。

普段一緒にいる詩編先輩が強烈すぎて気がつかなかった。






そして、瑠夏先輩に彼女ができたと言う噂も落ち着いて着た頃。



今度は別の噂が校内を駆け巡った。


瑠夏先輩の彼女は我儘らしい。



いや、なんて下らない。


最初はそう思っていたが、雲行きは少し怪しかった。


高級ブランドの洋服を強請っただとか。

瑠夏先輩のプレゼントにケチつけただとか。

デートをドタキャンしただとか。

瑠夏先輩が友達と遊ぶのを許さないだとか。


噂は多岐に渡り、いくら私でも気にならないわけない。


相変わらず瑠夏先輩は昼休みには現れなくて、その真相は雲に包まれたままだった。





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