2-8
図書委員の仕事も終わりに近づいた頃、私は放課後にっかちゃんに教室に呼び出された。
そこには、にっかちゃん以外に、何人かの女子もいた。
「りーちゃん、にっかの好きな人、他の人に話したでしょ?」
にっかちゃんに言われて、私は困惑した。
言った覚えなど、ない。
「にっかが可哀想。」
「りーちゃん、最低。」
女の子たちが口々に言う。
「私、言ってないよ!」
真っ白になった頭を回転させて、私は一生懸命否定する。
「嘘吐き!」
でも、だれも信じてくれない。
「にっかがリーちゃんしか教えてないって言ってたよ。」
「それに、にっかが好きなの知ってて、ヒロ君と仲良くしてるなんてひどい!」
「ヒロ君とりーちゃんじゃ釣り合っていないよ。」
「私、そんなつもりはないよ!ただ図書委員が一緒だっただけで・・・。」
「また嘘つくの?」
「最低じゃん。」
何が起きているの・・・?
身に覚えのない罪を着せられて、悪口を言われて、どうしようもなく悲しくなった。
泣きたくなった。
「にっかちゃん・・・。」
助けを求めるように、にっかちゃんを見る。
「裏切り者!」
でも、にっかちゃんは私を思いっきり睨み付けた。
なんで。なんで。
にっかちゃんは、私の友達じゃないの?
なんで。なんで。
信じてくれないの?
あんなに仲良かった友達が離れていく。
友達とは、なんて脆い関係なんだ。
誰かと一緒にいると、きっとすぐに傷つくことになる。
だったら、もう、友達なんていらない。
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