2-7
そのヒロ君とは、図書委員が一緒だった。
昼休みにいつものようににっかちゃんと話していると、
「りーちゃん。」
と、噂のヒロ君に呼ばれた。
「なに?」
顔を上げると、にっこりと微笑まれる。
人当たりが良くて、誰にでも優しいヒロ君は、誰からも好かれる。
にっかちゃんが好きになるのもわかる気がする。
「ちょっと来てくれる?図書委員の仕事、先生に頼まれちゃって。」
「あ、わかった。ごめん、にっかちゃん。行ってくる。」
申し訳なさそうにお願いするヒロ君に頷くと、私はにっかちゃんを残して、ヒロ君と図書室に向かった。
この図書委員の仕事、待っていたのは、けっこう大変で、面白いものだった。
図書室の壁に本の紹介コーナーを作る仕事で、大きな模造紙に絵を描いたり、紹介する本を読んだりと、私の昼休みは図書委員の仕事に追われた。
もちろん、ヒロ君も。
昼休み毎に、ヒロ君と図書室で作業をする私を、よく思わない人はにっかちゃん以外にもたくさんいたのだろう。
この時の私は、仕事に夢中で全然気づかなかったが。
だから、こんなことになった。
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