2-6
小学生の頃。
私にも仲の良い友達がいた。
「にっかちゃん、遊ぼー!」
もう、名前は思い出せない。
私はその友達のことを、にっかちゃん、と呼んでいた。
「りーちゃん、良いよ!」
休み時間の度に二人で肩を並べて学校中をあてもなく歩きまわり、たくさんの話をした。
誰が誰を好きだとか。
誰と誰と誰の三角関係だとか。
小学生ながらに恋愛話が多かったような気がする。
ある日、校庭の恥にある花壇に座りながら、にっかちゃんが告げる。
「りーちゃんは特別だから、にっかの好きな人を教えてあげる。」
「えーだれだれ?」
周りに遊んでいる子供たちがたくさんいて、がやがやうるさかったから、私は大きな声でにっかちゃんに問う。
「にっかね、ヒロ君が好きなの。」
「そうなんだ!」
「絶対に秘密だよ。誰かに教えたら絶交だからね。」
「絶対言わないよ。」
正直、にっかちゃんの好きな人には興味がなかったけど、秘密を共有することが少しだけくすぐったくて、嬉しかった。
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