第2話
「ちょっと気になるかな」
でも、それだけ。可愛いって言ってくれる人がどんな人か気になるのは当然のことだと思う。だから、これは恋愛的な '気になる' ではないことは確かだ。
クラスも違うし、部活も一緒じゃない。関わりは特に無いだろう。
「そっか。いつでもLINEあげるよ」
そう結愛ちゃんは言ってくれたけど、必要になる事は多分無い。
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今日の昼飯は、鶏ムネ弁当だった。いや、今日もだ。
最近俺は筋トレにハマってしまい、食事スタイルを大きく健康志向にシフトしたのだ。前までは、弁当に冷凍食品を多く入れていたが、今は1つも入っていない…
「今日も鶏ムネか?」
そう聞いてきたのは、同じ中学校出身で、バスケ部の高身長イケメン、
こいつは身長180cm弱あるらしく、俺と並ぶと差があるのがすぐ分かる。
「あぁ、もちろんだ。」
俺はそう返す。亮平は俺の目の前に座る。
そこからは、他愛のない話で盛り上がる。バスケ部に可愛いマネージャーが入ってくれたとか、そんな話だ。
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どうして、飯の後に古典があるのかな…。常々俺はそう感じる。誰がこの時間の古典に集中できるだろうか、いやできない。よし寝てしまおう、そう思い机の上で前傾姿勢を取る。……刹那、机を叩かれる。
「起きなよー?」
…この女。俺の決意を踏みにじりやがった。だがしかし、寝続ける。
「無視するんだ〜。後5秒で先生に言っちゃおうかなぁ?」
…起きるしかねえじゃねえか。俺はゆっくり体を起こし、うるさい目覚まし、藤井もも《ふじいもも》に目をやる。
「おはよ、優希くん」
「おはよう、目覚ましさん」
藤井は、それから満足したように前を向いた。何なんだこいつは…。
結局、古典は最後まで何とか起きて受けた。…意識は朦朧としていたが。
「優希くん寝不足?」
古典が終わり、そう藤井が聞いてくる。しかし、俺は毎日7時間は寝ているのでこう答える。
「飯の後で眠たいだけだ。ちゃんと寝てる。」
「…そっか。」
こういう、何も話すことの無い雰囲気は苦手だ。何か話そうと口を開
「彼女とか、気になる人は出来た?」
こうとした瞬間そう藤井は聞いてくる。ちょうど良いと思い、瑞希さんの事を話した。
「武田瑞希さんって知ってるか?その子、めちゃくちゃ可愛くて少し話してみたいって思ってる。」
俺がそう言うと
「私と同じバスケ部の瑞希ちゃんだよね?」
と藤井は言う。藤井がバスケ部なのは知っていたが、瑞希さんもそうなのか。
「彼女、バスケ部だったのか。身長も高いし、そうだと思う。」
「…そっか。可愛いもんね。」
藤井は、それきり何も話さなかった。
✧
今日は土曜日だ。俺は帰宅部で、部活が無いので今日一日は、家でまったりか、気分が乗れば出かけるつもりだ。
「優希!朝ごはん出来てるよ」
1階から母さんの声がする。基本的に休日でも早起きをするタイプなので朝ごはんによばれたりする事が多い。
はーい。と軽く返事をして1階へ降りる。
うん、何変哲もない普通の朝ごはんだ。おいしい。
食後、
「今日は何をするの?」
と母さんに聞かれたので、
「気分が乗ったら遊びに行く」
そう答えた。
「あら、珍しい。家が大好きな優希でも、どこか出かけようと思うのね。」
「お小遣いあげるからよく遊んできなさい」
とお小遣いを貰ってしまったので、今日は出かけるとしよう。
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