かつて仏だった者の神秘 その二

 お母さんはやさしいお歌をたくさん歌ってくれたし、お姉さんは約束通りたくさんの本を読んで聞かせてくれたよ。


 お父さんは、まだ少しこわいかな? 会ってみないとわからないけれど、どんな人なんだろう?


 ぼく、みんなに歓迎されるといいな。


 そして、ついにその時がやってきた!!


 お母さんはがんばって、がんばって、そしてぼくが生まれたんだ。


 必死になってぼくがここにいることをお知らせしていると、うっすらと見えるお母さんがやさしく微笑んでくれたんだ。


「生まれてきてくれてありがとう。今日からもよろしくね。ともくん」


 そうしてぼくに、友という名前がつけられたんだ。


 でも、ちょっと残念なことは、生まれてくるまでの記憶は、少ししたら忘れちゃうことかな?


 でも、家族みんながやさしくて、ぼくはとってもしあわせなんだ。


 つづく

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