〈キャスト〉

　※ロバ……海原薫

　※ネコ……空野響

　※犬……陸田瞬

　※にわとり、及び盗賊団……山口努

　※語り部、及びお婆さん……川崎糸子

〈ただいまより、喜劇『ロックンロール・ブレーメン』を上演いたします。最後までごゆっくりご観覧ください〉

　※開演ブザー

　※語り部の話にあわせて、演者が芝居をする。

　☆☆☆

　ある日、年をとったロバが森の中に捨てられてしまいました。重い荷物をさげる力がなくなってしまったからです。

　ロバはあてどなく歩きました。

　そこで、斧で殺されそうになっていた老犬と出会います。ロバは体当たりをして犬を救い出し、またトコトコと歩き始めました。

　おいしそうなにおいにつられてやってきた二匹でしたが、今度は水に沈められそうになった老猫を発見します。

　ロバはお婆さんに体当たりを、犬はお婆さんの足に軽く噛み付いて猫を助け出しました。

　三匹に増えたことで人目を避けるようにまた歩いて行くと、今度は若い雄鶏が首をもがれそうになっているところに遭遇しました。

　三匹はそれぞれ協力して雄鶏を助け出し、そして森の中へと逃げ込んでしまいました。

　三匹は年はとっていましたが、獣は獣です。

　人間につかまらないように、慎重に歩みを進めています。

　人間は簡単に動物を殺してしまうという気持ちがつのってしまい、人間を信用できなくなってしまったのでした。

　つづく

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