冒険劇 『ドロシーと赤い靴の冒険?』
〈キャスト〉
※ドロシー……空野 響
※おばさん、および北の魔女……川崎 糸子
※おじさん……海原 薫
※カカシおよびライオンおよびブリキ男……山口 努
※語り部……陸田 舜
〈ただいまより、冒険劇『ドロシーと赤い靴の冒険?』を上演いたします。最後までごゆっくりご観覧ください〉
※開演ブザー
※語り部の話にあわせて、演者が芝居をする。
☆☆☆
ここカンザスはとても田舎で、まだ幼いドロシーの目には、とても退屈な場所に映っていました。
愛犬のトトは、今日も牧場の外まで走り回り、ついには預かってもらっているおばさんに大目玉をくらったばかりです。今日はおばさんがその大切な友だちのトトを捨てに行ってしまいました。
「どうしてあたしばっかり、みんなに意地悪をされるのだろう? トト。ああ、かわいそうに」
ドロシーはどんよりと曇った空を見上げて歌を歌います。彼女の頭の中では、とても綺麗な虹が浮かんでいるのでした。
うつくしく、やさしく、そしてはかなげな歌声は、トトに届いたのか、おばさんを振り抜いてドロシーの胸に飛び込んで来ました。
「ああ、トト!! あたしのかわいい子」
ドロシーがそう言った時です。突然嵐がやってきました。遠くには巨大な竜巻が見えます。
「大変。トト、こっちにおいで」
ドロシーはそう言うと、トトを抱き上げ、あまり頑丈そうではない部屋へと避難しました。
本当は地下壕に入りたかったのですが、おじさんが意地悪をして入れてくれなかったからです。
あわや、ドロシーは竜巻の渦に巻き込まれ、どこか遠くへ運ばれて行きます。
かわいそうなドロシーは、気を失ってしまいましたが、トトのことは絶対に離しませんでした。
つづく
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