第4話  ヴィシュヌの想い

ラクシュミーは悩んでいる。


何に?


ラクシュミー「ちょっと!聞いてよ、シヴァ!」


おい、おい、いきなり俺を呼ぶのか?


俺、一応語り手なんだが。。。


ラクシュミー「そんな事、どうだっていいのよ。それより、このまま行ったら、大変なのよ!」


だから、何が大変なんだ?日本の神仏達と何かあったのか?


ラクシュミー「違うわよ。日本の神仏様はとても素晴らしい方々よ。問題は、、、見てよ、私達ヒンズー側なのよ。」


俺はラクシュミーが言う方に目を向ける。


あぁ。。。なるほど。。そう言うことか。。


そう、チコである。


チコは少女からかなり成長を遂げていた。まだ、女神とはいかないようだが、まだ見習いであり、卵だ。


少女時代から女神達から絶大な人気振りだったが、未だそれは健在なようだが。なるほど、つまりラクシュミーには、それがチコの為にならないとしているんだろう。


ラクシュミー「そうなのよ!また、幼い頃ならわかるわよ。可愛いし。今だってそれは変わらないわ。でも、甘やかしては駄目よ。チコの為にならないのよ。」


なるほど。。。


ラクシュミー「それに、そろそろ人間界、つまり地球人として降りて経験を積んでもらわないと。」


だろうな。。。


ラクシュミー「下に降りる事は、シヴァ、あなたならわかるでしょ!」


確かに、降りて経験するのは大事な事。それには、かなり厳しい試練やら、学びがまっている。


つまりは、グループ内にいるような生易しいものではない。。。


という事なんだな。


ラクシュミー「そうなのよ。」


ヴィシュヌ「なんだい?二人して、そんなに心配かい?」


ラクシュミー「当たり前じゃない!」


まぁ、ラクシュミーの言いたい事はわかるがな。ヴィシュヌは相変わらず悠長だな。しかし、何か考えがあるんだろ。理由があり、チコちゃんに対してはずっと見守ってきた。。。


違うか。。。?


ヴィシュヌ「さすがだねぇ。。シヴァ。 その通りだよ。それは、チコちゃんだけじゃないんだよ。」


ラクシュミーはじっとヴィシュヌを見る


ラクシュミー「では、なんでなの?あんなに甘やかされて、降りたら耐えられないわ。」


「だからだよ。」ヴィシュヌがそう言うとラクシュミーは、、、


「え?!、、わざとなわけ?」


ヴィシュヌ「別にわざとじゃないよ。人気があるのはチコちゃんそのものが可愛くて仕方ないからなんだよ。」


ラクシュミー「可愛いのはわかるわよ。私だって可愛いくて仕方ないもの。」


すげーな、チコちゃん。。。皆をデレデレにして。。。


俺が知ってるあの娘と似てんのか?


ラクシュミー「ちょっと、シヴァ!誰の事言ってんのよ。


誰の事か知らないけど、うちのチコより可愛い娘なんていないからね。」


へいへい。。。(ーー;) 相変わらずな事で。。。


ヴィシュヌ「まぁ、まぁ。。」


ヴィシュヌは笑いながらラクシュミーをなだめる。


ヴィシュヌ「あのね。僕は、学びは実践の中にこそあると考えているんだよね。経験からしか学べない事が沢山なんだよ。」


ラクシュミーはちょっとふてくされている。「だから?」


ヴィシュヌ「だからなんだよ。地球人として転生して、厳しい環境で切磋琢磨して、辛い事、苦しい事、悲しい事、、勿論逆に、楽しいとかもね、


喜怒哀楽の感情を育んでほしいんだ。いろんな思いをすればいい。


特に、辛い事の後で来る幸せは、普通には味わえない位の幸福感なんだよ。それはわかるよね。」


ラクシュミー「わかるわよ。。。ヴィシュヌが言いたい事。。。わかるわよ。。」


ヴィシュヌ「うん。。。よかった。


僕は、曲げないよ。絶対に。。


どんなに、辛く、苦しいだろうが、


それが可愛いチコちゃんであっても、最後まで取り組んでもらう。見てる方が辛くともね。」


ラクシュミーはため息だ。。。


ラクシュミー「あなたって、昔から全く変わらないわ、そう言うとこ。


表面的には凄く優しいし、穏和で、


だけど、内面は実はかなり厳しさを持っているのよね。相手が弱音言っても、共感はしても、諦めさせない。


必ず、最後まで取り組ませてきたんだものね。」


ヴィシュヌ「そうだよ。。。だから、グループに帰ってきたら、うんと褒めたいんだよ。


「本当に、よく頑張ったね!」


そう、言ってやりたいんだよ。


グループにいる間は安らぎと癒やしで充電して、そしてまた、新たなる試練や、課題に取り組む。


周りが口であれこれ言っても、頭で理解できても、感覚も、魂も理解出来ない。

体感こそが大きな学びとなるんだ。


わかるかい?」


ラクシュミーはもう、理解している。


ヴィシュヌ「シヴァはわかるよね。」


まぁな。。。(生きているからこそだな。。。)


ヴィシュヌは俺の内面を読もうとするんだよな。。全く、見んなよな。。


ヴィシュヌ「そう言えば、シヴァはどこのグループにも属さないね。


君はかなりの力があり、あちこちから誘いがあると聞くよ。


なぜかは、聞かないでおくよ。


きっと、シヴァらしい理由だろうからね。」


何だよ。。。知ってるんだろ!


俺は決めてるんだよ。。。俺が従い信頼、一目置く相手の所にしか属さない。。。


俺の相手はあいつしかいねぇんだよ。


中筒男命。。。


将来できるであろう、俺が属するグループ。今はまだまだ、準備中なんだよ。メンバーの一人一人に対してのな。。。お前らみたいに、


「はい、今日からヴィシュヌグループだよ。」


みたいにはいかねぇんだよ。


かなりの計画の元に進められているだよ。メンバーは全くそれすら、知らない。知ってるのは、上のミナカヌシ達創造神達と俺だ。


ラクシュミー「なに?、、、新しくグループができるの?」


ヴィシュヌ「知ってるよ。僕も聞いてる。上の神々達がかなり、強力なグループを創り始めているって。


未来を予測しての事だよね。」


あぁ。。。未来は大変なんだ。だから、それに合わせて、未来を良きものにする為にな。


ヴィシュヌ達だって、その一員だろ。


他にも沢山グループがあり、役割もある。使命だな。


未来を良きものにする為に、協力し合う。


ヴィシュヌ「将来、シヴァのグループが整ったら僕のグループに協力してくれよな。」


あぁ。。。勿論だ。


ヴィシュヌは嬉しそうに微笑んでいた。。。。。









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