第2話 2回目の間違い電話

 前の間違い電話から半年が経っていた。


 日曜日の午後、庭先で母親が育てている花の植え替えを手伝ってる時に電話が掛かってきた。


 私はグラフィックデザイン事務所を主宰しているので、日曜祭日でも関係なしにクライアントから掛かって来るので、いつも携帯電話は目の届く場所に置いてある。


 「はい。XXです。」


 相手は一瞬、言葉を止めて

 「あの~。〇〇さんじゃないんですか?▽▽生命の■■ですけど。」


 「いえ、違います。」

 「番号XX-XXXX-XXXXですか?」


 「ええ、そうですけど、名前は違います。この携帯に変えてから8カ月くらいたってますが、そういうこと言われたのは2回目です。」


 

 「そうですか。すみません。○○さんへの急用だったんですが、失礼しました。」



 生命保険の担当者らしい男性は丁寧に謝罪を言って電話を切った。


 

 おふくろが、なんの電話?と聞いて来た。


 あ、間違い電話だよ。

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