あなたが掛けてるの、間違い電話ですが。

clipmac

第1話 最初の間違い電話

 何度か間違い電話は掛かってきているので別段問題にもならない。

大体は、掛けてきた本人からの話を聞いていれば、間違い電話なのだとわかる。


 「あの、こちらの番号はXXX-XXXX-XXXXですが、どちらにおかけですか?」


 たいがいは、この問いかけで掛けてきた当人が間違いに気が付いて

 「すみません。間違えました。」

 と謝罪の言葉と共に電話が切れる。


 たまには、「え?これXXX-XXXX-XXXXですよね?」と末尾がひとつ違った回答を得ることも有るので、単なる掛け違ったのだろう。



 

 ある時に、携帯を新型に替えた。それまで使っていたNTTではなく関西セルラーの携帯に替えたのだ。


 当時は、携帯会社を変更すると番号も新たに割り振られたと思う。その辺りの記憶は殆どないので分からないが。




 仕事でも使用してたので、いろんな方から電話がかかると同時に、声で判断するのが普通だったが、その日の電話の声は聞いたことが無い人物だとすぐにわかった。


 いつもの間違い電話への対応をすると

 

「おっかしいなぁ。

  以前電話した時はあってたはずなのに。」

不思議そうだ。

が仕方がない。その人物と私とは関係ない人物だから。


 「え~っと。〇〇君の電話番号では無いんですよね?」

と再度、確認をしてくる。


 「ええ、違いますよ。この携帯は変更してからすでに2か月経ってますが、そういう事を聞かれたことは無いです。」


 と言うと、電話の主は謝罪を述べて電話を切った。


 


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