第23話 初めての口づけ
翌日の放課後。俺の部屋に明日香がきていた。
明日香はなにやら興奮しまくっている。というか、我慢が限界に近いという様子で提案してきた。
「ねえ高一郎! 昨日思いついたんだけど、くちっ!! 口でするってどう!? セ〇〇スがダメなら私のお口でって、ひらめいた!!!」
「アウトッ!」
俺が反応する前に、ベッドの上に寝そべっていたクロぼうがコールしてきた。
「なんでなのよっ! 口でするくらいいいじゃないっ!!」
「くちも立派な性行為だヨ。法律とか条令とか調べてみてよ」
「ぐぬぬ」
明日香が押し込められる。
「なら、手で……」
「それは俺がムリ。我慢効かない」
「胸ではさんで……」
「だから。俺がムリだからっ!! 今明日香と同じ部屋にいるだけで我慢きかなくなりそうなんだからっ!!」
「後ろの穴ならワンチャン……」
「当然アウトにきまってるでしょ」
これはクロぼうの指摘。
「ですよねー……」
万策尽きたという様子の明日香。ショボーン (´・ω・`)としおれてしまった。
期待に胸を膨らませていただけに、空気が抜けたようにしぼんで消沈しているのが、見ていてかわいそうだ。
俺もなんとかしたい。でもこれだけは俺の一存ではどうしようもない。明日香の希望、期待、情欲をかなえてあげたい。でもその結果は……
――と。
「口は口でもキスはOKだよ」
クロぼうがぽつりとつぶやいてきて、明日香がぴょこんと反応する。
「マジ!?」
「うん。マジ。OK」
ぱああっと明日香の顔が華やいだ。
「高一郎! 今すぐクスするわよ! 噛んだっ!!」
そして、善は急げという明日香と俺はベッド上に隣り合って態勢を整える。
俺を見つめてくる明日香の目がマジだ。今までの想いのたけをぶつけて、これから俺をじっくりとたっぷりと味わいつくすんだ! という決意にあふれている。
その明日香と俺は、ゆっくりと顔を近づけ……
生まれて初めて、唇を重ねた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます