第21話 俺、明日香&一葉ちゃんに辱められる
「「じゅるっ」」
明日香と一葉ちゃんが、俺のカラダを食い入るように見つめている。
「ちょっと! 二人とも、近い! 近いからっ!! 触れちゃダメッ!!」
俺の胸板を直近で凝視していた一葉ちゃんが、下半身に目を落とし、ごくりとした音を出してから言ってきた。
「下も脱いでください」
「え?」
「下もです。スッポンポンになって、そのキレイでイヤらしいオトコのカラダ、さらけ出してください」
「ちょっと明日香っ、一葉ちゃんに何とか言ってやってくれっ!」
「高一郎。脱ぎなさい」
「そん……な……」
俺は明日香の返答に絶句する。
「クズ葉に見せるのは歯噛みするほど悔しいけど……。そうしないとこの場の収まりが付かないというか、クズ葉、なにするかわからないじゃない。加えて、私も見たくて収まりがつかないってこともあるっ!」
ダメだ。二人とも俺の言う事を聞いてくれそうにない。
逆らうとどうなるかわからないという不安と、せっかく収まった場を元の木阿弥にしたくないという希望が勝って、俺はしぶしぶ脱いで真っ裸になった。
「どうだっ!! これで満足したかっ!! 減るもんじゃないから、心ゆくまで見てくれっ!!」
もうヤケになって腰に手をあて仁王立ちで言い放つ。
二人は俺の前にしゃがんで、俺の『その部分』を「ほ~」という感じで見つめている。心ここにあらずといった表情で、瞬きもしない。
「元気……ないですね……」
「そうね。ちょっと、残念だわ……」
「なにいってるの二人とも!! 逆に元気あったらダメでしょ!!」
「触ったら……元気でるでしょうか?」
「そうね。触りたくなる……というか、ムラムラしてくるわね」
「だからっ! ダメだから! 見るだけって約束でしょ!! 男だからって、女子二人にマジマジと見られて恥ずかしいんだから!!」
「ふう~」
一葉ちゃんがいきなり息を吹きかけてきた。ビクッとした刺激が『そこ』から脳髄に伝わって、俺の部分がムクムクと大きくなってゆく。
「すごい……ですね……」
「すごい……わね。私も、生で大きくなるところを見るのは、初めてよ」
二人とも我を忘れたように見つめている。
やがて、二人の息がだんだん荒くなり……
ぜーぜーという興奮した変質者のような呼吸音に変わり……
その手が俺のモノに伸びかかったところで……
「「ダメダメダメ。ダメーーーーーーッ!!」
俺は慌てて後ろを向くのであった。
◇◇◇◇◇◇
学園からの帰り道。
あの後、反省の気持ちを見せてくれた一葉ちゃんとは、図書室での出来事がなかったかのようにわだかまりなくさよならした。
一葉ちゃんは「あきらめませんよ、ニコッ」っという感じではあったのだが、まあそれはやむを得ない。
そして今、明日香と二人でいつもの歩道を歩いていた。
「でも。明日香が来てくれて助かった。あのままだと、マジでやばかった」
俺がふぅと安堵の息を吐くと、クスっと明日香も声をもらす。
「当然よ。私は高一郎のパートナーなんだから。高一郎の危機には駆けつけて当然」
ほこらしけな顔を俺に向けてくる明日香。満足そうな表情だ。
「でも、よく俺と一葉ちゃんが準備室だってわかったな。女の勘……ってやつ?」
何気なく聞いてみたのだが、とんでもない答えが返ってきた。
「高一郎のスマホには位置確認アプリ入れてある……げふんげふん、オンナの勘よ勘。高一郎のことだったら小さい頃から何でも知ってるんだから」
明日香はあさっての方角を向いて何でもないという顔をしているが……位置確認アプリ……ってなんだそれ? 俺は聞いてないぞ……それ?
ちょっと背筋がぞわわとしたけど、でも明日香と一緒なのは素直にうれしい、夜風が心地よい帰り道なのであった。
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