第3話
ある日、自分の教室に、違うクラスの女子が1人で入って来て、なんだなんだ?どうした?って思ってたら、自分の座ってるところに来て、サッカー部の男子に自分のことを紹介されて、そして来たんだと言った。サッカー部の男子は自分に対して普段からめっちゃ優しくて、また他の女子にも優しいから、女子たちにも人気あって、教室に入って来た女子も、その男子のことをほんまはめっちゃ好きなんだけど、その男子には中学の時からの彼女がいて、それで、その男子が自分のことを話してくれたらしいのだ。その日、その女子と一緒に帰りながら、色んな話をして、その日から、その子と付き合うようになった。2人のいちばんの共通点といえば、お互いに、サッカー部の男子のことをめっちゃ好きやってことで、そのことで2人は結ばれた感じやった。自分は、自分の好きなサッカー部の男子の紹介してくれた女子なら、それだけで なにかめっちゃ嬉しかったし、その女子も、たぶん、好きな男子から紹介された自分やから、それが何よりいちばんやったのかもしれない。自分の気持ちと一緒で。2人とも、同じ気持ちやったのだろうと思う。
2年生になったら、みんなからクッションという名で呼ばれているその女子と自分とは同じクラスになり、サッカー部の男子は違うクラスになってしまって、クッションと自分とが日に日に仲良くなっていった。
2年生で、富士山に修学旅行に行った。5号目まではバスで行って、そこから歩いて頂上を目指した。クッションと2人で手をつないで登ってたら、後ろからサッカー部の男子の直くんが追い付いて来て、3人で一緒に登り始めた。直くんの中学生の時からの彼女は、女子どうしで登ってるらしい。途中途中で直くんが、クッションと自分との2ショットを撮ってくれてた。見晴らしがめっちゃ良かった。雲が下に広がっていた。頂上付近に到着したら、鳥居があって、それをくぐって進んだら、頂上地点に行けた。3人で頂上のあたりをうろうろしてたら、急に深い霧がたちこめてきて、あたり一面真っ白で、3人以外の人も風景も、全く見えなくなってしまった。しばらく3人で、その場にじっとしてたけど、クッションと自分は今日のこの日の記念に、直くんの前で、2人でキスをした。2人とも直くんのこと、めっちゃ好きやったから、そして直くんをきっかけにして、直くんのおかげで結ばれたので、むしろ直くんの目の前で、直くんのいるところで、直くんに見守られながら、2人でキスをしたかった。直くんは静かに2人のキスを優しく見てくれてるように感じられたから嬉しかった。
しばらくしたら、白い霧も晴れて、まわりの景色も、みんなのことも見えてきた。3人で頂上から下へと降りて行った。まわりのみんなも、いきなり濃い白い霧が立ち込めて来て、しばらく真っ白で、やがて霧も晴れて、景色も見えるようになってきたから、わーわーキャーキャー騒ぎながら富士山を降りて行ってた。
君と富士山と ヤッキムン @yakkimn
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