ある女

今日は朝から暑いなぁ。

窓を空けて外の空気を感じる。

まだ4月なのに。てかもう4月。はやっ。

なんだかちょっと心が落ち着かない。


理由は、昨日の女子会でナツの爆弾発言

「結婚します!それも妊娠しました!」

私、茉美、英里沙、

皆、持っていたお酒を溢しかけた。てか私は溢した。

ナツこと菜摘は、一番お酒が飲めそうでめっちゃ喋るのにお酒が全く飲めない。だからいつもウーロン茶かジュースを飲んでる。


私「え、誰と!?」英里沙「え、お金持ち?イケメン?」茉美「ナツおめでとー!体調大丈夫なの?」

リアクションがまさに三者三様。




今時の良い感じにウェーブがかった

肩まである茶色い髪を揺らしながら、ナツが幸せそうに言う「前に言ってたアプリで会った人!」「体調はすこぶる良くてね!食べまくり」


「よかった!ナツ、アプリやってたもんね」真っ直ぐに見つめてショートカットの似合う茉美が言う。


「皆もやった方がいいよ、特に信乃」とナツ。


「えーだって、こわくない?アプリとか。」お酒を飲みながら私が答える。信乃とは、私の名前。


「そんな事ない!優良物件は合コンより見つかるし、

手っ取り早いよ。エリもそー思わん?」とナツがウーロン茶を飲みながら言う。


「確かに!そうかも。私は合コン派だけど。

てかさー信乃は選びすぎー!この前の冴木さんだって結局付き合わなかったじゃん」と、肩まである髪を1つに結い直しながら、辛辣な発言をするエリこと英里沙。ちょっともう酔ってるこの子。


冴木さんは他部署の人。たまたま用事で話して仲良くなった。「だから、冴木さんは他に好きな人がいたんだって!告白してないのに振られたの!」そう、片思い中に振られた。聞かなきゃよかったと後悔した。

「えー?結婚してたらアウトだけどさ~すぐ諦めるの信乃の悪いとこだよ」とナツ。

「まーまー、信乃は慎重なんだよ。そこが良いとこでしょ」フォロー上手な茉美。いつもありがとうと感じながら、お酒と共に色々を一気に飲み込んだ。


開けた窓から

桜の木が見えた。はらはらと散ってる。

小学生が楽しそうに歩いてるのが見える。

「34にもなって、私何してんだろ、、、」

うわ、声に出してダメージ。

やめやめ。まだ仕事まで時間があるから、ゆっくり朝ごはんでも作って食べよっと。


















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