三章 第八話
如月は炎楽を殺しかけていた付喪神と対峙した。
「誰だ?お前」
「お前に答える気はない。舞刀術 百人一首」
躱して付喪神が言う。
「そうか。俺は朱天。よろしくな」
そう言って打撃を飛ばす。
(炎をまとった打撃を飛ばしてくる。結構速いな)
如月はすべて斬る。
朱天が接近して、拳を振るった。
「舞刀術 かくれんぼ」
それを回避し、朱天の後ろに移動した。
しかし、尻尾が伸びてくる。
(尻尾のせいで、首に攻撃できなかった。それに、所見でかくれんぼを見切っていた。こいつ、水珠よりも強い)
ドンドン、キン、ドンドン!!!
尻尾や拳と刀がぶつかり合う。
「妖術 逆鱗」
(無数の乱打。ならば、、、)
「舞刀術
如月は五連撃の斬撃を放った。
『舞刀術 花札・五光』
この技は、如月の舞刀術の中で最も威力の高い技である。
五連撃の斬撃であり、防御にも使用できた。
朱天は驚いているようだった。
「お前怪我しているのに、俺の『逆鱗』を防いだのか。お前。炎楽より強いな」
「だから何だ」
「今日はついてるなぁ。強い相手と戦えるんだから」
「ちっ、戦闘狂が」
朱天は拳を振るう。
ドンドンドンドン!!!!
刀と炎の拳がぶつかって、火が上がる。
傷が再び開いてしまい、包帯に血がにじむ。
尻尾の攻撃も厄介である。
拳の乱打と、不規則に動く尻尾。
この二つがかみ合い、如月に首を斬らせなかった。
「ハァ、ハァ」
(傷が開いてしまった。それに、あいつに近づけない。あいつの攻撃をかいくぐるしかないか)
「舞刀術 鬼事」
如月は縦横無尽に動き回りながら朱天を斬りつける。
その間も、朱天の攻撃が掠り、新たな傷が増えていく。
朱天は飛び上がり、地面に拳をたたきつけた。
ドゴン!!
「舞刀術 かくれんぼ」
土煙が上がるが、如月は回避した。
「よくまあ、その傷でそこまで速く動くな」
土煙の中から打撃を飛ばしてくる。
「舞刀術 百人一首・渡り手」
如月は水珠の首を斬った技である『百人一首・渡り手』を繰り出した。
二連撃のため、一撃もが躱されたとしても問題ない。
如月は、朱天の腕を斬り飛ばした。
「ほう、二連撃か。これは読めなかったな」
朱天はすぐに腕をはやし、攻撃してくる。
「妖術 龍の息吹」
大きな火炎弾を放つ。
「舞刀術 花札・五光」
ドー―ン!!!!
大きく爆ぜる。
すでに朱天が接近してきており、殴り飛ばされてしまう。
ズザーーーーー
地面に足を付け、踏みとどまった。
すぐに朱天との距離を詰めて刀を振るった。
ドドドドド
刀と拳がが何度も何度もぶつかり合う。
「うおおおおおお」
如月は珍しく声を上げる。
そうでもしなければ、押し負けてしまいそうだった。
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