帰路2

 村の北のそのまたはずれ、デコボコとしたあぜ道を抜けると二軒の民家が見えて来た。

 右の古びて今は使われていない形跡の建物が俺の昔の家、そしてもう一方は俺の幼馴染の家だ。

 俺は2週間ほど滞在する予定なのだが、家はもう使われなくなって長いので、一度整理しないと住むことはできないと前々から考えていた。

 そこで、幼馴染の家にその期間だけ居候させてくれないかと手紙で頼んだら、快く承諾してくれたというわけだ。

 透き通った空気の中に懐かしい匂いが混ざり合って歩きながらでも情緒を感じてしまう。

 古風な玄関の呼び鈴を鳴らすと、パタパタと足音が聞こえて来た。

 ガラリと引き戸がなる。

「あっ!おかえり、ゆうちゃん!」

 そこで俺を出迎えたのは俺の幼馴染…の妹、神崎詩織だった。

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